第202話 連携と突破口
中央ダンジョン・中層、魔境の塔・最奥。
爆発の煙が晴れる。
そこにまだ"立っている"影があった。ボスは崩れきっていない。体の一部が砕けながらも、再生している。
「自己修復能力、確認」ヒカリが即座に言う。
「うそでしょ……」ナルサの顔が青ざめた。
「チッ……」カイルが舌打ちし、ゴーレムの拳を構える。
その時、父が前に出た。大剣を構え、ディスプレイが光る。【連携】。
「ああ」カイルが短く答えた。
ヒカリが位置を取り、ナルサも杖を握る。
「行くぞ!」
全員が同時に動いた。
父が斬り込む。
ドォン!!
重い一撃。ボスが迎撃し、四肢がぶつかる。その隙にカイルのゴーレムが横から叩いた。
ドゴォ!!
ヒカリが風で軌道を補助する。「補正」
「拘束魔法!」ナルサが詠唱する。魔力の鎖がボスの動きを縛った。
連携は成立している。
しかし。
「……?!」父が弾かれる。カイルの攻撃も浅い。
「攻撃効率、低」ヒカリが分析する。
「決定打が足りない……!」ナルサが焦った。
ボスが反撃する。
ドォォン!!
衝撃波が全員を押し返した。
「やりにくい……!」カイルが歯を食いしばる。
理由は明確だった。魔眼を避けるため直視できない。精密な連携が難しい。加えてキキとリーナはまだ動けず、戦力不足で押し切れない。
その時。
「みんな、下がって!」
母の声だった。
「母さん?」カイルが反応する。
母は静かに前へ出て、手を上げた。
「メイドゴーレム、展開」
ガシャン!!
複数のメイドゴーレムが整列する。
「戦えるの!?」ナルサが驚く。
「戦闘補助特化型」ヒカリが答えた。
「視界遮断、援護優先」母が指示を出す。
メイドゴーレムたちが動いた。布を展開し、煙と光でボスの視界を遮る。同時に、カイルたちの死角を補完していく。
「情報補助、向上」ヒカリが言う。
「見なくても……動きがわかる!?」ナルサが目を見開いた。
「さすが母さん」カイルが笑う。
「でしょ?」母が微笑んだ。
状況が変わった。
父が再突入する。
ドォン!!
今度は正確だ。カイルも続く。ゴーレムの拳が叩き込まれ、ヒカリが補助し、ナルサが拘束する。連携が"噛み合った"。
ボスが押される。
「効いてる!」ナルサが叫んだ。
「優勢に転換」ヒカリが分析する。
「このまま押し切る!」カイルが吠えた。
ゴーレムの出力が上昇し、メイドゴーレムが完璧に支える。
戦況はついに傾いた。
石化のタイムリミットが迫る中、勝機が見えた。
この一撃で、終わらせる。
戦いは最終局面へ。




