第一章 《新撰組》
「この門をくぐったら、お前は沖田総司だ…。」
「はぁ。でも、俺病気で、病院戻らないと発作が...」
そう言いかけて急いで口を閉じた。
何故かって…?俺をここまで引きずって来た男の背後に、腕を組んで鬼の形相をしている男が俺を見つめていたからだ。
「今日こそは逃げられると思うなよ?病気の癖にフラフラどっか行きやがって…左之もご苦労だったな。」
「え?!あぁ、いつもの事だしな。それより...土方さん今日は出かけるんじゃなかったか?」
「ん?ああ、コイツに聞きたい事がいっぱいあるからな。なぁ?総司。」
「…え?」
土方さんと呼ばれた男が俺の頭をガシガシと撫でると、グイッと腕を掴んでほぼ強引に門の中に俺を押し込んだ。門の中では素振りをしていた隊士らしき男達が、俺を見つけてわやわやと寄ってくる。
「沖田さん!ご無事でしたか!」
「え?うん…。」
__現在進行形で無事じゃないけどな!?
叫びたい事は山ほどあったが、俺を願う様な顔をして見ている左之さんを見て言葉を飲み込んだ。
ズリズリと引きずられて部屋の中に入ると、さっきまでの表情とは一変して心配そうな顔でため息をついた。
「お前もまだ若いし遊びたい気持ちもわかる。どうせ島原か何かにでも行っていたんだろ?行くのは勝手だがお前一人で出歩くな。お前が道中襲われたらどうする…。」
「...しまばら...?おそわれ…?!」
土方さんの口から淡々と出る言葉に目を見開く。
__襲われたらって...沖田総司ってどんな人間だよ?!!__




