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金平糖

 彼女は裸でそこに丸まって寝ていた。どうして寝ているのか―と尋ねると、そういうものです―と応えた。そのうちに雨―それは熱湯―が降ってきたので私は傘をし差した。彼女はそれをその身に受けて悶えた。白い肌が仄かに赤くなった。

 その次の日、再びそこに行くと彼女は丸まって寝ていた。昨日より小さく見えたので、どうかしたのか―と尋ねると、そういうものです―と応えた。そのうちに雨が降ってきたので私は帰った。後ろで熱さに悶えている声が聞こえた。恐らくその肌は紅に染まっているだろう。

 その次の日も、彼女はそこで丸まって寝ていた。彼女は昨日よりも小さく、そして棘が全身から生えていた。悪い病気なのか―と尋ねると、そういうものです―と応えた。そのうちに雨が降ってきたので私は傘を差しながら、雨が続くな―と話しかけた。彼女は悶えていてそれどころでは無かった。

 その次の日も、また次の日も、私は彼女のところに向かった。彼女は毎日小さくっていった。理由を問うても、そういうものです―としか応えなかった。

 そして二週間経ったある日、そこには紅色の金平糖があった。私はそれを噛み砕いた。

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