表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/200

 それは夜のことだった。丁度雨が上がった後のように冷たく、静かだった。湖面に月が映る。蒼い三日月は何時に落ちるのだろうか。

 ――。高く澄んだ音が響いた。静かに波が立ち月が歪む。音のした方を見ると白い少女が居た。少女は私を見て微笑みながらもう一度高い声を発する。大きな波が立ち私に少し水がかかる。湖面の月は二つに分かれた。少女はそれを見て少し申し訳なさそうな顔をしたので、私は微笑んで大丈夫だと呟いた。少女はそれを見て嬉しそうに一際大きく、高く声を上げた。さすがに無理をしたのか湖に血を吐く。波は渦になりその血を撹拌する。そして混ざり合って紫になった三日月が落ちてきた。

 少女はそれを見て何か言うが何も聞こえない。もう湖面も動かない。何分ここには最初からコンクリートの壁と窓しか無いのだから。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ