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サーカス

サーカス

 気がついた時には私は薄暗い路地に立っていた。街灯は切れかかっている。さてどこへ向かおうという時に変に大きなテントが見えたので入ってみることにした。

 やあやあ、いらっしゃい―ピエロが明るい声で話しかけてくる。どうやらサーカスのようだ。くだらないと思い帰ろうとすると、まあまあ、少し見てって下さいよ―とピエロが引き止めるため渋々見る事になった。


 最初は火の輪と虎が出てきた。虎が大きく吠える。テントが破れそうになるぐらいに。そして虎が走って火の輪を潜った時、急に輪が狭まりその身体を両断し、その断面から丸まり2つの肉の球になった。それをピエロが上手に投げてみせた。

 悪趣味だ。帰る―私がそう言って帰ろうとすると、もう少しだけ見ていって下さいよ―とピエロが引き止める。そのため私は渋々見る事になった。


 次の芸は空中ブランコだった。二人の若い女子が二つのブランコに手をかけて宙を舞う。何回か舞った後、二人同時に向い合ってブランコに乗り同じタイミングで手を離し正面から勢い良くぶつかり砕け―ガラスの様に―そ粉になった。そしてその粉がステージを照らす光を反射して輝いた。

 綺麗だ―思わず私が呟いた言葉をピエロが聞きつけて、そうでしょう。しかし最後のが一番素晴らしいですよ―と言い舞台に登った。


 ピエロが正面に立ち、その後ろから箱とと手錠を持った女性二人が出てくる。ピエロは自分に手錠をかけさせ箱に入り、この箱が爆破される前にここから出ます―と言った。ピエロが入った後女性が箱に鎖を巻き爆弾を付け、私を安全な所まで誘導した。どのくらいで爆発するのか尋ねると、もう間もなく―と言いその言葉の直ぐ後に箱は黒い閃光と共に爆発した。辺に緑の液体が飛び散る。そしてその液体からきのこが生え、その房をピエロに変えて、脱出大成功―と呑気な声で言った。

 愉快―と私は言って大笑いした。

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