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チョコレート

 チョコレートを一粒口に含む。その瞬間脳髄を突き刺すendorphin。anandamide。phenethylamine。そしてそれを柔らかに包む砂糖のと油脂。その甘さに私は落ちていく。深く深くその茶色の蜜に沈んでいく。カカオの香りが鼻をつく。そして底に至った時!私は恍惚に落ちる。


 その世界はとても不気味だ。緑の目玉が転がって来たかと思えば突然破裂して中から小さい黄色いカニが飛び散る。また、別の場所からは聴いたことのない笛の音が聴こえ、その曲調に合わせて空の色が変わる。私は一人で木―ガラスの枝―の前に座っている。ただ座っている。

 そのうち雨が降ってきた。雨は槍のように鋭く尖りガラスの枝を次々と折っていく。不思議と雨は私を避けていくので私はそのまま座っていた。遠くの方で牛が雨に貫かれたのが見えた。―とその時、私の血糖値が下がり元の世界に連れ戻される。


 私は再びその世界に行くためチョコレートを口に含んだ。caffeineの摂り過ぎだろうか?体が熱い。しかしその熱さも全て砂糖と油脂が包みこんで再び恍惚に至った。


 次の世界はとても暑かった。常に山は青い火を吹き川は溶岩が流れ海には茶色の液体が溜まっていた。私は海の水を舐めてみた。強い渋さとカカオの強い香りがした。私は嬉しくなって海に身を投げ出した。しかし熱さは加速する一方でついに私の体が藍色の炎を上げて燃え出した。藻掻いて火を消そうとする度に山は嘲笑うかのように炎の勢いを強くする。結局私は燃え尽きてしばらくしてから元の世界に戻った。


 元の世界に戻ってきた時には私は目眩がしていた。仕方ないので私はチョコレートをまた一粒口に含んだ。


 

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