星
宇宙に落ちてから今日で3日経つ。幸いなことに宇宙服がちゃんと機能しているから飢え以外は問題ない。周りには遠くにたくさん見える星々と岩だけ。時々凄いスピードで岩が飛んでくるのが怖い。
星を見つけた。ピンク色の。惑星か衛星。大気圏に入る時に燃え尽きるかもしれないのが怖い。だからといってこのまま流され続けてもいずれ餓死する。私は行動する道を選んだ。
エーテルの海を掻いて泳ぐ。少し勢いをつけてから私はその星に落ちていった。
幸いなことに、本当に幸いなことに宇宙服は燃え尽きたものの私は無傷で地表に辿り着いた。呼吸が苦もなく出来ているあたり母星と同じ大気組成なのだろうか。ピンク色の空を緑の雲が流れる。こうしてみると本当に母星から離れてしまったのだと感じる。私はとりあえず食べられそうなものを探すことにした。
少し離れた場所に水色の馬のような生き物が真っ黒な肉を顕にして倒れていた。恐らく肉食獣に食われたのだろう。私は周囲に肉食獣の気配が無いのを確認してその肉を食べた。油が多く美味だった。
その後水場を発見したので水口に含んだ。透明な美しい水だった。
そうして水場と馬の屍肉の間をうろつく生活が始まった。肉食獣に襲われた時は必死に走って逃げ切った。そのうち馬の屍肉を食べ尽くしてしまったので私は馬を探しては殺して食べる生活を始めた。馬を殺すのは苦ではなかった。走る為に伸ばしていた爪を使えば。
ある日、ふと水面に移る自分の姿を見るとそこにはライオンのような獣がいた。




