↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
君が忘れた恋を、僕は今も覚えている  作者: 著者:月城レイ 編集:月城のの
第二章 偽りの恋人(第6話〜第10話)
PR
14/14

第13話 日奈の迷い

「零くん、最近元気がないね」

撮影の休憩時間、日奈は隣に座る零へ声をかけた。

「そうですか?」

「うん。私と一緒にいるときも、ずっと何か考えてる」

零は返事をせず、手元の飲み物を見つめた。

日奈には分かっていた。零の心が自分に向いていないことくらい。

それでも、そばにいられるだけでうれしかった。最初は契約でも、いつか本当に好きになってもらえるかもしれない。そんな期待を捨てきれずにいた。

「……千秋さんのこと?」

日奈の質問に、零の肩がわずかに動いた。

「どうして分かるんですか」

「分かるよ。あなた、彼女の話をするときだけ表情が変わるもの」

日奈は笑おうとしたが、少しだけ声が震えた。

「私と一緒にいても、心はずっと彼女のところにあるんだね」

「……すみません」

「謝らないで。あなたが悪いわけじゃない」

日奈は膝の上で両手を握った。

自分から頼んだ契約だ。零が自分を好きではないことも、最初から分かっていたはずだった。

それなのに、彼が千秋を想う姿を見るたび、胸が苦しくなった。

「零くん。もし契約が終わったら、私たちはどうなるのかな」

「契約が終われば、元の関係に戻ります」

零の答えは迷いがなかった。

日奈は静かにうなずいた。

「……そうだよね」

その夜、帰宅した日奈は、部屋の明かりもつけずにソファへ座った。

恋をしているのに、相手の気持ちを自分へ向けることはできない。

それでも、今すぐ諦めることもできなかった。

日奈は窓の外を見つめながら、小さくつぶやいた。

「あと少しだけ……そばにいさせて」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。