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ネコ  作者: 秋月心文


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ネコまっしぐら

「あっ!!」


 それはベランダの戸を開けるたびにやってきた。


 白い何かだった。


 私の動体視力では追えないほどの速度で、

 一目散に押し入れへ飛び込んでいく。



 子どものころの北海道は、

 今よりずっとエアコンのある家が少なかった。

 その代わり、25度を超えることも稀だった。


 だから夏は、窓を開けて涼むのが当たり前だった。


 なんなら、玄関のドアまで開けると、もっと良い。

 ただ、そのときはドアの反対側にある

 ベランダの戸も開けないと、風は抜けてくれない。


 暑い日は、ドアもベランダも開け放つ。

 すると、より多くの風が通り抜けて、とても涼しかった。


 しかし、それを狙っている者がいた。

 近所の白いネコだ。

 長毛種で、見た目がふわふわだ。

 声は一度も聞いたことがない。


 いつも、我が家の

 押し入れの布団の上がお気に入りだった。

 そこに落ち着くと、ほとんど動こうとしない。

 そこにいる間は、好きなだけ撫でさせてくれた。


 あんまり、おとなしいので、姉にたずねた。

「なんで、このコは、こんなにおとなしいの?」

「毛の長いネコは、おとなしい性格らしいよ」

 姉は、そんなふうに教えてくれた。


 ふわふわの毛並みは、

 とても気持ちの良いなで心地だった。

 私は、そのコに会ってから、ネコが好きになった。



 そのコは、近所のおばさんが飼っていたネコだった。


 母が夕飯の支度を始めるころには、いつの間にか帰っていた。


 あのコも、ご飯の時間だったのかな。



 それにしても、

 なぜ、あのコは、うちの押し入れを気に入っていたのだろう。


 理由は今でもわからない。


 でも、あのふわふわの白いネコのおかげで、

 私はネコが好きになった。

 お読みいただき、心より感謝申し上げます!


 数ある作品の中から

 この物語を選んでいただき、

 本当にありがとうございます。


 少しでも楽しんでいただけましたら、

 ★や【ブックマーク】で応援していただけると、

 今後の創作活動の励みになります。

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