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右も左も魔女ばかり ~離島の魔法特区にある高専に入学した僕の想定外な日々~  作者: 於田縫紀
第4章 魔女と過ごす黄金週間

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第77話 僕の課題発表 (2)

 後は質問だ。


 後方で女子が手をあげる。

 綺麗な顔立ちの小柄な女子学生、だが見覚えは無い。

 入学式やオリエンテーションの時にはいなかったと思う。


 彼女は少し考えているかのようにちょっと間をおいて、そして質問を口にした。


「この飛行機械は電子制御を行っていないと聞きましたが、どのような制御で飛行をしているのでしょうか」


 女子にしてはかなり低めの声だ。

 そしてその質問なら大丈夫、予想範囲内の質問だ。


「制御はワイヤーを使った手動で行っています。操作できるのは3系統で、いずれも出力調整のみです」


 ホワイトボードに機体を上から見た図を描き、それにMJ管の場所を丸付き数字で書く……


 ◇◇◇


「これでよろしいでしょうか」


「結構です」


 彼女はそう言って座った。

 続いてまた手が上がる。

 これは准教授の新地先生だ。


「この機体の動力はMJ管となっていますが、これは魔力により出力が調整可能なものでしょうか」


 よし、これも想定内だぞ。


「このMJ管は永続魔法を使用した魔力固定式で、出力調整用のシャッターが付けてあります。ですので出力調整は全てワイヤーを通じたメカニカルなシャッター開閉のみで行い、魔法での操作は考慮しておりません」


 よし、さて次は……


◇◇◇


 何とか質問5つを乗り切って、他の発表を見ながら冷や汗を拭う。

 他は飛行型車椅子、飛行型自転車が2台、実物空飛ぶ絨毯だ。

 基本的に浮力調整具を使った似たようなシステムだ。


 でも飛行型車椅子はなかなか面白い。

 各種センサを配置してかなり安全方向に自動化を進めている。

 壁にぶつかりそうになったり歩行者とぶつかりそうになると自動停止するとか避けるとか、その辺りの付加機能が豊富だ。

 更に傾き制御とか速度制限とかまあ、センサと制御の見本市みたいな代物だ。


 制作者は魔法工学科2組の女子で、顔しか知らない人。

 でもかなりこれは手慣れていると見た。


 なお他は浮力調整に水ポンプを利用したり、メカニズム的にはほぼ同じ。

 強いて言えば絨毯の巻く事が出来る工夫が面白い程度か。

 そういう訳で外へ出て実機の確認に移る。

 これも最初は僕からだ。


「それではこれから展開と組み立てを実施します」


 そう宣言して重いスーツケースを下ろし、ばらしにかかる。

 誰かのスマホからストップウォッチを起動した音がしたが、気にしてはいけない。


 スーツケース形態からロックを外し、左右に引っ張る。

 本体と左右の機器部が展開する。

 更に左右の機器部を前後方向に伸ばし、後は固定ノブを全部ロック状態へ動かす。

 最後にハンドルを立ててロックしカウルを固定すれば完了だ。


「2分43秒」


 この声は典明、お前か時計で計っていたのは。

 というのは、後で言うとして……


「これで乗車できる状態です。操作はハンドル下レバーが基本浮上用。右がアクセル、左が補助浮上用及びトリック等で機体を不安的にする時用です」


 グラウンドのこの辺りはラバー舗装されている。

 だから埃はそれほど立たないだろう。


「では簡単に動かしてみます」


 乗ってハンドルを握り、ハンドル下レバーを目一杯にひねる。

 機体は一気に3メートルほど浮上した。


「これで浮上し、基本は重心移動で動かします」


 MJ管の噴射音で聞こえないだろうなと思いつつ、解説をしながら一通り動かす。

 なおトリック用のレバーは使わない。

 僕が使うと大体うまくいかないのだ。

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