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右も左も魔女ばかり ~離島の魔法特区にある高専に入学した僕の想定外な日々~  作者: 於田縫紀
第3章 いきなりな課題

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第41話 先輩は規格外ばかりです

 こんなデカブツ、自作なんて出来るのだろうか。

 まだ中学生の尻尾を引きずっているような僕にとって、かなりのショックだ。

 どう見てもそれなりの工業製品にしか見えない。

 それもパワーショベルとかブルドーザーとかの系統の。


 次の展示品は逆に小型でスマートだ。

 人間がちょうど入れるギリギリ位の大きさの飛行機。


「充電池と魔力で約130キロ飛行可能だって」


「でもこの工作精度、まともじゃないぞ」


 確かに表面がきれいにつるつるに仕上がっている。

 中が開くところでさえ段差がほとんど無い。

 これは知らない制作者だった。


 そして次、同じ年の作品は……


「こんなんありかよ!」」


 典明がそう言ってしまう程の作品だ。

 巨大ロボット。

 それ以外の何物でも無い。


 まあ実際はそれほど巨大でも無く、せいぜい全高4メートルってところか。

 前両側にダクテッドファン、後ろに巨大なダクテッドファン、更に数カ所についたバーニア代わりのMJ(マジックジェット)管により飛行および格闘戦が可能とある。


「完全にこの制作者、遊んでいるな」


「でも本当に飛ぶらしいよ。デモムービーもあるってコードが張ってある」


 試しにスマホでコードを読み取ってみる。

 そうすると確かに映画のシーンのような飛行および空中格闘の映像が流れてきた。

 さっきのロビー先輩作の浮上機械と戦闘している。


 まさかなと思いつつ制作者欄を確認。

 ああ、やっぱり知っている名前だった。

 田奈詩織と書いてある。


「こんなの学生が作れるのかよ」


「何かもう、色々間違っている気がするわ」


 ただこの先は、ぱっと見ここまでの大物は見当たらない。

 そして次の年は今までと違い、いかにも魔法世界の現代的乗り物という感じでスマートだ。


 多分筐体そのものは市販の大型スクーターの流用だろう。

 車輪も残してはいるが基本は飛行で、数カ所にバーニアと思われる排気口がついている。

 持続魔法により永続的に飛行可能、最高速は魔力に応じて60キロ~150キロ。

 浮力は持続型固定魔力の浮力調整具を内蔵しているとの事だ。


「やっぱりこういうのが本流だよね」


 そう金井が言っているそばで、僕と典明は顔を見合わせる。

 制作者:薊野香緒里、制作協力:長津田修……

 何かもう、学生会何やっているんだって感じだ。


 ◇◇◇


 先輩達が優秀すぎると後輩は苦労する。

 あれだけ色々と実作で作られると、後輩は何を作っていいかわからなくなる。


 僕がいるのは寮の自室。

 パソコンがあってゆっくり考えられるところ、というチョイスだ。


 簡単な案はとっくに考えついている。

 魔法式の自動ヒートパイプと送風管を使用した熱気球。

 これの概念図だったら1時間も頑張れば描けるし説明も作れる。

 でもそれでは面白くないんだろうな、きっと。


 ならばだ。

 取り敢えず自由自在に空を飛べるのが最低目標。

 ただ僕自身は魔力が無いから、操作はあくまで手動が基本。


 まずは使えそうな機器がないかネットを見る。

 Web上に確か無料で使える材料とか部品を載せているって言っていたし。


 見るとアルミ板7NO1:3ミリとか訳のわからない型番の材料の他に、モーター類とかプロペラとか汎用エンジン等がある。

 魔法部品だと、例えば持続魔法を使用したMJ管(高加速型エア吹出管)とか魔力発電機とか。

 この辺りは魔技大のカタログに載っていて、一般のWebでも見る事が出来るので知っている。


 初耳なのはマイナス重力がかかる鉄骨とか、その応用型の『浮力調整具:中に入れた質量の分マイナス重力が生じる箱』。

 これは魔技大のカタログでも見た事が無い。


 確かにこれらを組み合わせればかなり好き勝手な機械も作れるな。

 そう思ってふと気づく。

 一番下に、『素材提供 薊野魔法工業株式会社』とある。

 これってまさか……

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