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右も左も魔女ばかり ~離島の魔法特区にある高専に入学した僕の想定外な日々~  作者: 於田縫紀
第11章 Spring has come……

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第259話 海上道路は気持ちいいけれど

 約2時間揺られて、僕のお尻も痛くなった頃。

 バスは無事、目的地のJA与那城前バス停に着いた。


 まだ早いせいか、付近に休めるような店は無い。

 近くにキングタコスがあるのだけれど、残念ながら10時開店だ。


 本当はここを10時発のバスがある。

 しかし、ここから目的地までの距離は2キロ半。

 それに40分、ここで待つのも何だかという気もする。

 そんな訳で。


「歩くよ!」


 という愛希先輩に従い、僕は海中道路へと進む。

 うん、確かに海中道路だ。

 左はまさにすぐ海。


 海は遠浅な感じだ。

 要は海の浅い場所を埋め立てた堤防。

 その上を道路が走っている感じかな。


 海は確かに綺麗。

 僕らは聟島で見慣れているけどさ。

 ディパックの中からおにぎり出してかじりながら歩く。

 見事なまでに道路と海しか無い。


「うちの特区も発展して、隣の島まで道路を延ばせばこんなの出来るかな」


「ここは浅瀬みたいです。聟島のまわりは深いから無理でしょうね」


 そして長い。

 確か海中道路の全長は5.2キロ。

 目的地のあやはし館まで2.4キロ。


 エメラルドグリーンの海は綺麗だ。

 向こうに見える島もいい感じ。

 でも景色が変わらなすぎて、ちょっと飽きる。


 おにぎりも、1個目のポークたまごシーチキンマヨネーズを食べ終えた。

 2個目のおにぎりは味わいジューシーごはん。

 ジューシーと言っても、汁が垂れてくる訳では無い。

 沖縄風混ぜ御飯の事をジューシーと呼ぶらしいのだ。


 ここ数分の風景の変化は1箇所だけ。

 道路が埋め立てでは無く、橋になっている場所があった程度。

 船の水路用なのだろうか。


 そんな訳で。

「飽きた。ちょっと走ってくる」

 そう言って愛希先輩は走り出す。


 僕は付き合わない。

 体力差はよくわかっているから。


 歩きの目的地のあやはし館まで残り1キロちょい。

 愛希先輩ならほぼダッシュの速度のままたどり着けるだろう。

 それにつきあうような無理はしない。


 そんな訳で。

 しばらく歩くと左側が公園とか道路拡幅工事中のように広くなる。


 その先沖縄の城にあるような石造りの見晴台があって。

 さらに細長い、海と挟まれた感じの駐車スペースがだーっとあって。

 駐車場、いい加減長すぎないかと思うあたりになってやっと、それっぽい施設が目に入った。

 近づくと、愛希先輩はもう自転車を出している。


「遅かったね。書類はもう書いたから自転車を選ぶだけ。朗人はどれにする」


 というので、愛希先輩と同じちょいタイヤ太めのフラットバーロードを選択。

 コースの説明や注意事項を聞いて、走り始める。


 お、これはなかなか気持ちいい。

 歩きと全く違う速度感。


 ただ愛希先輩、飛ばしまくる飛ばしまくる。

 同じ速度でついていくのは早々に諦めた。

 どうせ分岐でもあれば待っていてくれるだろう。


 そんな感じで海中道路を走り。

 最初の島の信号のある交差点で愛希先輩が待っていた。

 うん、自転車に乗って待っている姿もなかなか可愛いな。

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