表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
右も左も魔女ばかり ~離島の魔法特区にある高専に入学した僕の想定外な日々~  作者: 於田縫紀
第1章 魔女の洗礼

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

25/36

第24話 魔女の集会とはサバトです (3)

「ところで何故、こんなところに露天風呂があるんですか?」


 僕はごまかしがてら、疑問を聞いてみる。


「元はといえば由香里先輩……ルイス先輩から数えて4代前の学生会長で香緒里先輩のお姉さんだけどさ、その人が露天風呂好きで修先輩に頼んでここを作ったのが始めだと聞いている。そして年々改良を加えて広く大きくなり、ついにマンションの隣の部屋を買ってこっちの部屋は保養施設化した訳だ。修先輩というのは香緒里先輩の前の学生会長。由香里先輩や香緒里先輩の幼馴染みで香緒里先輩の恋人かな」


 なるほど、あの綺麗なお姉さんは売約済みって訳か。

 まあそうだよな、確かに綺麗だしな。


「それにしてもこの露天風呂、独りで作った訳ですか」


 僕は自分のそんな内心をごまかすように聞いてみる。


「そうらしい。香緒里先輩の魔法は借りたようだけれどさ。修先輩というのは魔法工学科で工作関係の魔法持ちでさ、その気になれば道具無しでこれくらいは作れるみたいだ。魔力は少ないけれど強力な増幅機能付きの杖を自作して持っているし」


 強力な増幅機能付きの杖というと、心当たりがある。


「あの詩織ちゃ……詩織先輩の杖もですか」


 愛希先輩が動いた気配にまたドキリとする。

 多分頷いただけなのだろうけれど。


「ああ。同じ物を修先輩の他に詩織先輩と風遊美先輩が持っている。風遊美先輩は修先輩の前の学生会長で今は魔技大の4年だけどさ。修先輩の杖は研究用兼魔力が少ないのを補う為のものだけれど、風遊美先輩と詩織先輩の杖は移動用だな。あの先輩達は空間魔法で東京だの海外だのへ出かけられるから」


 詩織ちゃん先輩にも聞いたな、そう言えば。

 風遊美先輩か詩織先輩が生鮮食品を買いだしてくるって。


「詩織先輩と言えば、そろそろサウナや歩行湯に飽きてきた頃だから始まるぞ」


「始まるって、何がですか?」


「まあ見ていな。樽湯の方だ」


 何だろう。そう思いながら言われた通り樽湯の方を見る。

 4~5秒後。

 一番左の樽湯から水音がし、大量のお湯が跳ねたのが見えた。

 あれはルイス先輩が籠もっていた樽湯だ。


「うわっ!」


「うん、やっぱり最後の締めには、ルイスの調節したお湯の温度がベストなのですよ」


 ルイス先輩の声と詩織ちゃん先輩の言葉が同じ場所から聞こえる。

 あれはひょっとして……


「想像通りです」


 不意に愛希先輩と違う声が真後ろからした。

 どうも気配を殺して歩いていたらしい。


「最後の締めにぬる湯、という訳で失礼します」


 僕の横に入ってきたのは、この声は確か……


「補助魔法科2年の綱島沙知、沙知でいいです」


 というかちょっと待った。

 状況がまずい。


 愛希先輩は一応隣の浴槽だし、僕が左前の方を見ていればぎりぎり視界に入らなかった。

 でも沙知先輩は同じ浴槽だ。

 手をちょっと動かせば間違いなく触ってしまうぞ。


 思い切り僕は固まってしまう。

 それこそ指一本動かせない。


「沙知、今日は新入生慣れていないから、同じ場所は遠慮しようって話だったよな」


「でも慣らさないと、ああなります」


 左端の樽湯から逃げ出すルイス先輩が見える。

 もちろん全裸だ。

 まあ男だから平気だけれど。


「ルイス先輩もいい加減学習すればいいのですけど」


「一応ルイス先輩と詩織先輩は相思相愛なんだが、何せ性格があれだからさ。よくああやって詩織先輩にからかわれている訳だ」


 ルイス先輩が逃げ込んだ隣の隣の樽湯で、また同じ騒ぎが繰り返される。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ