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右も左も魔女ばかり ~離島の魔法特区にある高専に入学した僕の想定外な日々~  作者: 於田縫紀
第10章 年の終わりもばたばたと

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第224話 ホームセンターデートとお邪魔虫

 取りあえず三が日が明けた1月4日。

 僕は実家を朝9時ちょうどに出る。

 特に持って行く物も無いから、いつものディパックひとつで。


 駅の前を左へ曲がり、200メートルちょい道なりに歩いて。

 家々が途切れるあたりで右折し、自転車と歩行者しか入れない小道に入る。

 水路を渡り、一応警報器も遮断機もついていますよ程度の踏切をわたったところで。


 ふっと横に気配を感じた。

 確認するまでも無い。


「早かったですね」


「ちょうど朗人が人通りの無いところを歩いていたからさ。1時間早かったけれど来ちゃった」


 愛希先輩だ。

 愛希先輩はもう、異空間魔法を自由に使いこなしている。

 実家に帰るときも送って貰った位だ。

 おかげで往復の航空券分が浮いた。

 まあエアスケーターのおかげで、小遣いに不自由はしてはいないのだけれど。


 さて。


「これからホームセンターへ行きますけれど、いいですか」


「ああ、一緒に付き合うよ」


 という訳で2人一緒に歩いて行く。

 ほぼ10分で巨大ホームセンター到着。


 詩織先輩はここと同じ系列の、千葉の方にある店が贔屓らしい。

 でも僕は地元ということもあり、ここが一番使いやすい。

 絶対的な広さは、向こうの方が大きいかもしれない。

 でもここでも充分、無い物は無い位に物が揃っている。


「何か目当ての物があるのか」


「市販品でどんな物があるかを見るのが、メインの目的ですね。どんな物があるかを知っていれば、何かを作る時に参考になりますから」


 そんな訳で、鋼材からキャスター車輪から、何でもありありのホームセンターデートが始まった。

 最初は僕の付き合いという感じで見ていた愛希先輩も、徐々にテンションが上がる。


「何かうちの露天風呂で見たようなのが山ほどあるな」


「同じ系列の店で買っているようですから。デッキなんて、きっとそのままです」


「この材料があれば、寝湯とごろ寝デッキをあと3人分ずつ増やせるかな。最近寝湯が狭くてさ」

 

 トド前提らしい。


「場所をどうするかですね」


 一応は、そう軽く答えておく。

 でも確かに、寝湯はもう少し常設で増やした方がいいだろう。

 しょっちゅうメイン浴槽が寝湯転用されているし。

 後日、修先輩に掛け合ってみよう。


「あと、あの提灯いいな。あれをキッチンに下げて」


 ラーメンと書いた提灯。

 他にも色々種類がある。


「延々と夜食を作る羽目になりそうだから、やめておきます」


 そんな感じでのんびりと廻っていると、前方に見覚えのある小柄な人影が現れた。


「遅いのです。巨大ハムの解放を今か今かと待っているのに、なかなか来ないのです」


 詩織先輩だ。

 こんなところまでやってきてしまったか。


「ただこの店は、いい感じなのです。私のホームグラウンドと似た感じなのです」


「同じ系列ですからね。品揃えも同じ感じだと思いますよ」


「そうだ詩織先輩。ここの機材で寝湯を少し広げたいんですけれど。あと出来れば、ごろ寝デッキでふんわりお湯ミストが振ってくる感じのも」


 詩織先輩が悪そうに笑った。


「それはいい考えなのです。なら早速作戦会議なのです」


「えっ、香緒里先輩や修先輩は?」


「事後承諾で問題無いのです」


 詩織先輩は当然のように、そう言いきった。

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