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右も左も魔女ばかり ~離島の魔法特区にある高専に入学した僕の想定外な日々~  作者: 於田縫紀
第8章 魔女と魔法と新学期

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第163話 ようやくやっとのご挨拶

 さて、気分はデート気分。

 というか、デートだよな、間違いなく。


 特区は狭すぎて、デートに適した場所なんてない。

 映画館もなければ、洒落たショッピングセンターも無い。

 せいぜい飛行場の神社とホテルのラウンジ、あとは南浜くらいだろう。


 ラブホは無いし、寮は入口に寮務教官がいる。

 外で致すような場所は無いし、魔法で感知されるし。


 ちなみに大学の寮は出入り自由。

 噂では大分酷い事になっているらしい。


 通常の大学と違って特区は女性余りまくり。

 だから女性同士のカップルも多いそうだ。

 学生会担当の筑紫野先生のところもそうだよな。

 あそこはまさに魔技大時代からのカップルらしい。


 あ、妙な事まで考えてしまった。

 いかんいかん。


「こうやって2人でいるのも、沙知にモニターされていたりしてな」


 あ、愛希先輩もあれこれ考えていたみたいだ。


「沙知先輩のモニター範囲は相当広いらしいですしね。それこそ詩織先輩並に移動しないと脱出は無理でしょう」


「だな。だからもし私と付き合っても、当分は健全なお付き合いになってしまう。そんな訳だけど……ん、なかなか言いにくいな、色々」


 微妙に口ごもっている。

 これはひょっとして。


 こういう場合は、男性側から言うのが礼儀だよな。

 古い考え方かもしれないけれど。

 ということで、出来るだけさらっとと意識して、口に出してみる。


「僕は愛希先輩が好きですよ」


 あくまで何気ない感じで。

 でも言ってしまった。

 横目でちらっと愛希先輩の方を見る。

 ちゃんと見るのが気恥ずかしくて。


 あ、愛希先輩、むくれている。

 何か失敗したかな、僕。


「うーん、先輩だし、私から先に言おうとしたんだけどな」


 その程度か。なら一安心。

 間違っても嫌われてはいないとは思っていたけど。

 出雲大社での件もあるし。


「でもいいのか私で。2歳上だしがさつだし、正直身体も理奈あたりと比べると魅力的じゃ無いぞ」


 あ、ここで思わずボケたい気もする。

 大阪府出身の母方の血が微妙に騒いでいる。


 ここは『僕はロリコンだからツルペタが好きなんだー!』と叫べ!とか。

 もしくは『どれどれ』と言いつつ背後に回って手を胸に回し確認するとか。

 そのあげく『やっぱり胸、無いね』と言って、後は先程とおなじロリコン路線に行くとか。


 うん、どっちも真性の変態だ。

 無難路線で行こう。

 しくじったら元も子もない。


「もう一度言いますけれど、僕は愛希先輩が好きなんです。今の愛希先輩が」


 あ、僕も今の台詞で限界だ。

 絶対顔が赤くなっている。


 ただ愛希先輩の方も、気配からするとちょっと限界らしい。

 なのでちょっとクールダウン時間を置く。

 そして。


「うん、ちょうどいいからけじめとしてやってみたけれど、やっぱり恥ずかしいな、これ」


「確かにそうですね」


 まだ僕は結構ダメージが残っている。

 恐らく愛希先輩も。


「まあ何はともあれ、これからも宜しくな」


「こちらこそ」

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