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右も左も魔女ばかり ~離島の魔法特区にある高専に入学した僕の想定外な日々~  作者: 於田縫紀
第6章 魔女と旅行 ~恋人は魔女?~

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第130話 怪談? 『鬼畜桃太郎』R15指定?

「それでも鬼達は、桃太郎に立ち向かいます」


 ギャー! ドサッ、バタッ。

 風が強いのだろうか。

 物音は止まない。


「そして数十秒後、そこに立っているのは桃太郎ただ1人でした。既にサルと犬も桃太郎の戦いに巻き込まれ、血だまりの一滴と化していました。

 雉は逃げようと空へ飛び立ちます。でも次の瞬間、雉は羽に強い衝撃を受けました。桃太郎が投げた石が命中したのです」


 バサッ、ババタバタバタ……

 こんな音が聞こえる事もあるだろう、きっと。

 何かもう、やばい雰囲気満々だけれど。


「桃太郎は雉に尋ねます。

『おい、他の鬼と宝物は何処だ!』

 雉は助かりたい一心で、つい教えてしまいます。

『あっちです。あっちに人影が見えました』


 桃太郎はにやりと笑いました。


『そうか、ありがとうよ。では最後に俺の役に立ってくれ』

 桃太郎は右腕を一振り。雉の首は跳ね飛びました。まだばたばた動いている胴体の羽をむしり取って、桃太郎はその塊にかぶりつきました。

『やっぱ、きびだんごより肉の方が美味いな』」


 それにしてもこの桃太郎、鬼畜すぎる。

 色々まずいだろう、これは。

 そう考える事で、僕は色々聞こえる説明不可解な音を無視しようとする。


「雉に教えられた方向に向かうと、そこはまさに鬼達が船で島を脱出しようとしている現場でした。勿論桃太郎は襲いかかります。相手が女だろうと子供だろうと鬼なので容赦しません。殴り、蹴り、踏み潰します。最後の子供は人間だと3歳位の大きさでした。それでも桃太郎は容赦しません。

「鬼に産まれたのが悪かったな、あの世で幸せにな』」


 ぐしゃ。

 何かが潰れる音がした。

 いや、気のせいだろう、きっと。


「そうして桃太郎は、船の中でついに財宝を見つけます。しかしそこで、桃太郎は気づきました。宝や宝石が、どれも村で見た事がないようなものばかりなのに。

 金貨と思われるものも桃太郎の知っている長円系の物では無く、円形で厚みのあるいわゆるコインでした。異国の言葉と思われる表記もあります。桃太郎はそこで、気づいてしまいました。これは村から奪われたものではない。おそらくは鬼たち自身のものだろうと」


 ヒュー、ドロドロドロドロ……

 なんとも言えない音が聞こえる気がする。


「ふと島を振り返ると、何か妖気のようなものが島を覆い始めていました。それは殺された鬼達の怨念でした。平和に暮らしたかっただけなのに何度も人間に襲われた。挙げ句の果てには桃太郎に皆殺しにされてしまった、そんな哀れな鬼達の怨念でした」


 窓の向こうで、何か紫色に光ったのが見えた気がする。

 気のせいだ。そう、きっと。


「桃太郎はその船で海に出ました。必死になって船を漕ぎ、ふるさとの村を目指します。でも怨念の方が僅かに速い。それでも桃太郎は必死になって漕ぎます。しかし、海の中から無数の手が……」


「わあああっ」


 ルイス先輩が急に叫ぶ。

 理由は俺もわかった。

 何かが俺の足を触ったような気がしたのだ。


 これはきっと気のせいだ。

 もし触れたのが本当でも、誰かの足があたっただけだ。

 そうに違いない!


「そして桃太郎は、とうとう怨念に捕まってしまいました」

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