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右も左も魔女ばかり ~離島の魔法特区にある高専に入学した僕の想定外な日々~  作者: 於田縫紀
第6章 魔女と旅行 ~恋人は魔女?~

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第120話 これが噂の悪魔のゲーム

 ソフィー先輩は、親指で装置をつまんだまま自分の前に持って行って、呟く様に自分の名を告げる。


「ソフィー」


 そう言った後、装置を持つ手を下に下げて、また説明を続ける。


「こうやって装置に使用者が認識されると、ここが緑色に点灯します。それでは認識作業を開始して下さい」


 それぞれ自分の名前を言っている声がする。

 それが一段落した後、ソフィー先輩はパソコンのマウスを握って何か操作をした。

 ノートパソコンの画面に12人の名前が表示される。

 名前表示の下では、緑色の棒が伸び縮みしていた。


「この棒が緑色という事は、今は皆さん比較的平静な状態だという事を意味しています。これが興奮状態になると黄色になり、そして赤色になります。なお判定は体温、血圧、血流、放出魔力その他合計7点以上の測定値により行っております。この旅行のスポンサーでもある香緒里先輩の研究室における最新作品です。ですのでごまかすのはまず不可能。そう思っていただければいいかと思います」


 香緒里先輩は刀だけでなく、こんな装置も作るのか。

 そう言えば空飛ぶスクーターも香緒里先輩の作品だしな。


「さて、ゲームの方法は簡単です。時計回りに1人ずつ発言していただいて、このメーターで赤色になった方が負けです。今回は時間と人数の関係で、3回負けた人が敗者で罰ゲームとさせていただきます。罰ゲームはある物を食していただく予定です。詩織先輩に買いに行っていただいているので少々お待ち下さい」


「買ってきたのですよ」


 出番を待っていたかのように詩織先輩が出現する。


「室蘭は地球岬の名物お土産、毒まんじゅうなのです。この中の1個が辛いまんじゅうなのです。なお市販品だと生温いので、朱里先輩の魔法で強化してあるのです」


 おい待て。

 強化しては不味いだろう。


「カプサイシンにはいい思い出が無いので失礼するのです」


 詩織先輩は逃げた。

 こういう面白そうな事は参加しそうな感じなのだけれども。

 何か嫌な思い出でもあるのだろうか。

 そして残されたのは黄色基調のいかにも危ない箱。


「6個入りだそうなので、最高6人、運が悪ければ1人目で終わりです。当たるか夕食の時間が来るまでゲームは続けます。罰ゲームクリアの後は負け点0から再参加です。発言は個人攻撃でも全体攻撃でもかまいません。ただ1発言につきテーマは1つにして下さい。それでは1年女子という事で、青葉さんから」


 この時、僕はこれがどんなにエグいゲームか気づかなかった。

 ルイス先輩の表情をちょっと見れば気づいただろうに。


「じゃあ、『皆さんは彼氏とか彼女とかいらっしゃいますか』」


 ぎくっ。

 愛希先輩はまだ彼女じゃないよな。

 詩織先輩は憧れの先輩ってところだし、香緒里先輩もそう。


 落ち着け、大丈夫だ。

 今はまだ彼女がいるという状態じゃない。


 そう思いつつパソコン画面の方を見る。

 グラフがあちこち動いている。

 でも黄色までで、赤色突入している人はいない。

 ちなみに僕は黄色だ。


 あ、愛希先輩も黄色だ。

 しかも結構棒の長さが長い。

 危なかったかも。


「聞き方が少し甘かったれすね。では個人攻撃の見本をするれすよ」


 ジェニー先輩と、何故かおびえるルイス先輩。


「ルイスに聞くれすよ。詩織の体型について、どう思うれすか」


 おっとこれは確かに個人攻撃。

 でもルイス先輩、粘る。

 棒が黄色の範囲で上下して……

 めでたく赤色に。

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