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今さら始める三国志5~孔伷さんと一緒に中華統一を目指します~  作者: yatacrow


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005―1 5回目の憑依 ~だから一騎討ちするときは体力ゲージに(略)~

―― 184年1月 春 ――


『蒼天已に死す!』


 はいはい、スキップ! スキーップ!!


――西暦184年、中華全土を天下泰平へと導くため各地で群雄たちが声を上げた……。


「――孔伷様、喬玄殿より外交の使者の喬玄殿が派遣されてきました。なんだか二人いるみたいに聴こえますよね」


 んん? 開幕から同盟交渉か……。喬玄、陶謙は、孔伷()に刺客を放った容疑者候補ワンツーだ。慎重に狙いを見極めないと――


「孔伷殿?」


 あ、爺さん置いてきぼりで考え込んでたわ。


「喬玄殿、自らお越しとは――何か重大なことでもおありか?」


「おお! 孔伷殿、わしと手を組み天下泰平を共に語ろうではないかッ!!」


 ほほーん? で、本心はどこにある?


「一つ、喬玄殿にお聞きしたい」


「ん? 出来れば先に同盟の返事を貰いたいのだが……」


 急かされても答えないぞ。こっちのペースで話させてもらおうか。


「張角軍がこの譙に攻めてきたならば……、喬玄殿はいかがする?」


「ふはははは! 孔伷殿は心配性だ! これから同盟を組むのだ、助けを乞われれば救援するのは当たり前ではないか」


 はい、ダウト! やっぱりコイツも陶謙も孔伷()を壁にして時間稼ぎしたいだけだったな。


「おお、そうでしたか。しかしなぁ、喬玄殿の言う救援に行かせる者がおらぬ。よもや、喬玄殿は動かない漢一族を使者にとは言いますまい」


 あー? てめぇの魂胆は分かってんだぞコラァー?


「あ、ああ。いやいや……もちろん存じておるとも! ――まあ、同盟が成ったらだが、わしの長男をそちらにやろうと考えておったわ。が、一人たりとも忠誠を誓う者のいない孔伷殿には、到底信用出来ない提案だったな。どうやら同盟締結は難しいようだ。互いに時間の浪費であった、ではわしはこの辺で――」


 くそ、孔伷()の威圧なんかどこ吹く風。さすが乱世の年長者。だいたい喬瑁を孔伷()のところにって埋伏じゃねぇか。


 しかも雲行きが怪しくなってきてから、ちょいちょいディスり入れてくるし。


 カッティーンッ! 俺、キレたわ。ここで喬玄の命運は終わりじゃい!


「おいコラ、君主自ら出向くとは……覚悟は出来てるんだろうな? たたっ斬ったるッ!」


 シャラララと抜剣して構える。どうせ数ヶ月もしたら張角に狩られる孔伷()だ、老い先短いてめぇも道連れにしちゃる!

 

「はっ、貴様ごとき雑魚にやられるわしではないわ!」


 孔伷さんの武力32、喬玄の武力30。誰だドングリの背比べって言ったやつ!


 お互いに執務室で睨み合う、確かに武力は変わらんが喬玄の年齢は76歳……勝てるッ!!


「キエエエエエエエエエエッ! ――くそ、なんだよこの気合い声ッ!」


「ふん! 覚えておけよ、雑魚がッ!」


 ガキンッと剣を弾いたと思えば、とても後期高齢者枠とは思えない動きで逃げて行った。逆に孔伷さんが返り討ちにされそうな気がしたのは内緒だ。


 ちなみに漢文、漢武らと喬玄側の護衛――恐らく漢の一族は、俺たちのバトルに不介入を決め込んでいたようだ。護衛の意味よ……。


 しかしこれで喬玄との敵対は100、張角の敵対70よりも敵視されてる関係だが気にしない!


 どうせ喬玄とやり合う前に張角が来る。どうだ、こんなに後ろ向きなやけくそないだろう!


「孔伷様、ご命令を――」


 俺がやりたいことは――【軍事】の中の【訓練】だな。


 【募兵】……金2000で兵士を募集しよう


 【徴兵】……金500で泣き叫ぶ住民らを無理やり奴れ……兵士にしよう


 【訓練】……兵士を訓練しよう


 【編成】……部隊に兵士を配置させよう


 【移動】……領地を移動しよう


 【戦争】……敵対君主の領地に攻めこもう


「よしそれじゃ漢武、兵たちの訓練をしてくれ!」


 説明欄にはツッコまない!


「孔伷様ッ!! 場所はどこでありますか!?」


(ここ)しかないだろ」


「訓練する武将は誰でありますか!?」


「わししかいないだろ」


「わかったであります!! おーい、お前らー、訓練でありますよー!!」


 がしっと挨拶、どたばたと出ていく。……今回、漢武にも違和感を感じる。


「孔伷様、訓練をなされるとは……あまり効果はありませんよ?」


 そして今回の漢文は余計な一言が多い。


「備えあれば憂いなし、だ」


 ほぼ確実に訪れる未来の話は言わないけど、それに備える事ができるのが知識チートの良いところ。


「孔伷様!! 準備が整ったであります!!」


 よし、それじゃ孔伷式ブートキャンプかましちゃいますか!



 ぜぇぜぇ、はぁはぁ――辛い。


「か、漢武……はぁはぁ」


「はい!! なんでありますか!?」


「なん、で、わしも、はぁ、訓練、してんだ?」


 漢服の上に重たい鎧をつけて走り込みから、剣の素振りに矛の突き上げ……。


「え!! それは孔伷様が訓練したいと言うからであります!! まだまだメニューはありますであります!!」


 なんだよ、ありますでありますって。


 メニューを嬉しそうに見せるんじゃないよ、なるほど兵士の訓練度が低いなとは感じてたけど、孔伷さんが訓練するのを嫌がってたわけだ、なあ?


 孔伷さんが小窓のブラインドをそっと閉めた。おいゴラ、小窓のギミック増やしてんじゃねぇ!


「はあ、もう止めッ! 今日の訓練はここまで!」


「えー! もう終わるでありますか!? これでは訓練の成果が出ないであります!!」


「いや……もうダメ――」


 意識が……。


「はっ!! 孔伷様、孔伷様!? 誰か孔伷様を執務室に連れて行けであります!!」


 あの、できれば執務室じゃなくて自室の寝所がいいです。


『譙の兵士の平均訓練が61(+1)、平均士気が44(+0)になりました』


 ……当然の結果か。


 ちなみにこの世界の漢武の名は、漢武(かんぶ)官謂(かんい)


 禰の次は謂か、なんか法則が分かってきた。


◇◇◇


―― 184年2月 春 ――


 先月、【訓練】が焼け石に水かけて蒸発した。悲しい。


「孔伷様、ご命令を――」


 今月は――


「汝南を攻める! と言いたいところだが、陶謙を狙うッ! 漢文、徐州攻めの準備を」


 人材募集、張角融和策が無理だった。計略では逆に龔都に利用された。もう考えつく生存ルートが一つしかない。


――戦争しよう。


 ちなみに汝南は武力が高く、仮に上手く占領できてもすぐに宛の張曼成(ちょうまんせい)がやってくる。


 それなら陶謙、劉繇を倒し、一気に空白地である荊州(けいしゅう)近辺を抑える方が生存できる確率は高い。


「徐州でございますか、くれぐれも刺客にはお気をつけください」


 おい、人のトラウマをそっと触るんじゃないよ。


 んー? なんか漢一族の品質がグレードダウンしてないか……、いやまあ人間味が出てきたといえばそうなんだけど。


「いざ、出陣ッ!」


 もう漢文を無視して徐州に向かう。



―― 徐州の戦い ――


【1日目】

 

 自軍兵力1部隊2万、対する陶謙軍の兵力は3部隊1万6000。


 天候は曇り、徐州の戦場は街道沿いに城が3つ、森を越えたところに1つ。攻めやすい印象だけど、こちらの部隊は1つだけ。城の占領で勝つのは厳しいだろう。


 兵士たちの士気は訓練したのに44。


 対するあちらさんは、中央の城に陶謙1万、すぐ近くに糜竺(びじく)3000、森を越えたところに陳珪(ちんけい)3000。


 俺の部隊は西側から箕形の陣で行軍を開始、明日には陶謙の部隊に攻撃を仕掛けられるところで野営に入る。なんとか喬玄ら救援部隊が到着する前に勝負を決めたい。


 こんな作戦が取れるのも戦闘画面のおかげだとしみじみ思う。今の局面を乗り越えられれば孔伷さんでもやれるはず。


――さあ、ゲームを始みゃあああああ!?


『禁則事項に触れました』


 ちょっと最強ゲーマー兄妹の言葉を借りようとしただけなのに……酷い。


【2日目】


 陶謙軍に動きはない。


 陶謙の陣形は【魚鱗】――てるてる坊主のような形で頭を西向き、平地での突撃が強力だけど、城を守るのには適してないと思う。他に陣形ないのか?


 まあ、そんな陣形の側面をつく!


「全軍前進であります!!」


 漢武の号令の元、2万の兵が陶謙に襲いかかる。


「自軍損害1000、陶謙の損害は2500であります!!」


 よし! って――


「玉砕覚悟で突っ込めぃ!! 大将首を挙げれば褒美は望みのままぞ!!」


 どこかで聞いた号令で、糜竺が孔伷()の側面に突撃かましてきた!


「いたぞ! 孔伷、覚悟ッ!」


 糜竺が混雑する戦場をうまくすり抜けてきおった!


「キエエエエエエエッ!」


 ……孔伷さん、その気合いなんなん?


「孔伷様、そこどくであります! やあ!」


「ぐは、む、無念……」


 孔伷()に斬りかかる糜竺の剣を受け流して、そのまま蹴飛ばす有能漢武くん! お前、部隊率いろよ……。


「糜竺を捕らえよ、早くふん縛れ!」


 何もしてないけど口は出す!


『孔伷が糜竺を捕らえました!』


 正確には漢武たちが、だけどね。でもこれで部隊を一つ減らしたぞ。


――今だ、孔伷の腹に食いつくのじゃああああッ!


 森を越えて陳珪爺が突っ込んできた。結構お城は離れていたと思ってたけど、一気に陳珪爺が背後から迫る。被害は肉壁が少し削れただけ。


「ふう、ヒヤッとしたけどまだ1万3000もいる。いける、今回はいけるぞッ!!」


――うおおおおおおおおおッ!!

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