星73 イベント遭遇率
白銀の毛並みをした動物を撫でてやっていると、いつのまにやら人の輪に囲まれていたらしい人物達が近くに寄って来ていた。
?「あなた方はもしや予言の方ではありませんか」
話しかけてきたのは癒しの力を持つと言われている、この世界で話題の少女。
白き巫女の少女だった。
ここに辿り着く前に絵姿で見た事がある。
だが、どことなくスピカと顔立ちの似ている様にも見える少女だった。
リィア「私の名前はリィア・アナスタシア。ステラードさんとツヴァイさんでよろしいですか」
ステラ「え、ええ。……リィア?」
それはもしやと思うのだが、続きの言葉はツヴァイによって止められる。
ツヴァイ「よせ。へたに歴史に干渉するな」
ステラ「でも……」
ステラ達が過去で要らぬ事をした結果、戻るべき未来が変わってしまうかもしれない。
それを思うと、確かに大変だが……。
いや、そもそもまだスピカの妹であると分かったわけではない。
そう思って、渋々口を閉じた。
ツヴァイ「人を探してるらしいが、何か用でもあんのか。そいつらなんか、俺達は知らねえな」
ステラ「ちょっと先生」
警戒心を滲ませて、わざと知らんぷりする先生の脇をこづく。
リィア「ふふ、聞いた通り用心深い人なんですね。でも、容姿を詳しく聞いてましたので、本人だと言う事は分かっていますよ」
ツヴァイ「ああ? 聞いてた?」
リィア「ええ、そのやりとり。とっても仲が良さそう。王宮に来ていただけませんか。予言士エルルカ様がお待ちしてます」
ステラ「エルルカが!?」
白き巫女である少女は、この時代にいるはずのない物の名前を口に出した。
その事にステラは驚く。
ローグ「リィア、こんなところにいたのか。ん、そいつらは」
その場に追加に現れる人物を見てさらに驚く。
その人は朝の騎士だった。
リィア「ローグ、エルルカ様の探し人、見つけましたよ。王宮へ急いでお連れしましょう」
ローグ「へぇ、本当に聞いていた通りの姿。いたんだな。……ほら、いつまでそっちにいるんだ。こっち来い」
?「バウ!」
朝の騎士が呼ぶと、ステラの手をなめていた犬?(狼?)はそちらの方へ走っていく。
聞いた事がある。
朝の騎士の傍には、その行動をサポートする優秀な聖獣がいるとか何とか。
ツヴァイ「おいおい、今日は有名人がそこら辺を歩いてる日なのか? 暇なのか」
厄介事ではなかったが、ステラにはやはりツヴァイが言うようにそれほどの何かを持っていたりするのだろうか。
今度占い師に占ってもらおう。
災難の相とか出そうでちょっと怖いが。




