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星67 嵌められた



 仲間達に切り結んだ影の後を頼んで、前に進む事だけを考えた。


シェリカ「やぁっ! まだまだ、骨がないわね」

エルルカ「それは姉さんが凄すぎるだけだと思う」


 精霊使いである彼女達が来てくれて本当に良かった。

 ツェルト達だけでは荷が重いし、ステラだけでは対処しきれなかったはず。


 影の間を縫うように移動。

 ヨルダンに近づいて剣を向ければ、彼はほんの少しだけ驚いて自らの所持していた剣をこちらへと向けた。


 立ち姿といい構え方と言い、この前も思っていた事なのだが、彼自身には戦闘能力があるようには見えないのだが。


ステラ「心得があるの?」

ヨルダン「せっかくここまで辿り着いたんだ。楽に殺しはしないぞ、存分にいたぶって楽しませてもらおうか」


 そこそこ自信はあるようだ。

 そういう言葉が吐けるくらいには。


ステラ「先生はどこ? 私達の前に騎士達が来たでしょう? どうしたの。答えなさい」

ヨルダン「奴等なら殺した。帰ってこない時点で分かっていた事だろう」

ステラ「っ!」


 嘘だ。

 そんな簡単に死ぬはずない。


 これは相手の作戦だ。

 ステラを動揺させる為の。


 だが……。

 心の隅では、本当はもう帰ってこないのではという事を何度か考えた。


 この遺跡に来て、

 ここに来るまで人の姿が全然見当たらなくて、

 ジオが何も言わなかったのがその証拠かもしれない……と。


 それでも、それしかないと分かっていても信じない。

 自分が騎士を目指すきっかけになった人がそんなに弱いはずない。


 だからそれらは嘘だ。


ヨルダン「特に、最後のあいつ。騎士とも言えないような身なりのしぶといあいつなら、新しい呪術の実験台にしてむごたらしく利用して殺してやってけどな」

ステラ「そんな事……っ、私が信じるとでも思ってるの!?」


 それでもわずかな動揺が剣を鈍らせる。


ヨルダン「平和の中で、ぬるま湯につかって生きてきたヒヨコ共ならこんなものか。ふん、だから、動きが単純なんだよ」


 その瞬間、ステラは何かを踏み抜いていた。


 え?


 足元に視線をやる。

 遺跡のトラップではない。

 固い床が変化するような感じではなかった。


 それはもっと曖昧で、エネルギーの流れ様な感じに近くて……。


 ステラの足元に会ったのは、魔法陣だった。


ステラ「まさか、呪術!?」


 ステラの意識は一瞬で闇に包まれてしまった。


 嵌められたのだ。



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