星45 先生の容体
ヨルダンが去った後に、ステラは尋ねる。
ステラ「ツェルト、どうしてここに?」
エルルカに教えてもらったのだろうかと思ったが違った。
ツェルト「先生の様子がおかしくて、それで保険医を呼びに行ってる最中だったんだ」
ステラ「え、先生が!?」
ツヴァイの身に何かがあった様だった。
保健室のベッドに寝かされたその人を見て、私は足元から崩れ落ちそうになった。
ステラ「せ、先生。どうしてこんな」
目を覚まさない。
ずっと、こうらしい。
倒れているのを発見してから、何をやっても目を覚まさないでいる。
近づいたシェリカはツヴァイの様子を一目見て、何がどうなっているのか分かった様だった。
シェリカ「呪術がかけられているわ。それもかなり強力な。今すぐ精霊使いと契約しないと命に関わるかも」
ステラ「そんな……」
先生が死んでしまう?
こんな急に?
そんな事考えたくなかった。
このまま何もしないでいたら、本当にそうなってしまう。
誰かに死なれるのは嫌だった。
自分をおいて大切な誰かが遠くに行ってしまうのは嫌だ。
ステラ「シェリカ。私の事はいいから、先生と契約してあげて、お願い」
シェリカ「それは……」
シェリカは、躊躇うような素振りで言葉をつづける。
この短期間の間でも、彼女が物事をはっきりと告げられるさっぱりとした性格なのではない事ぐらい話かかっていた。
それなのに、口ごもったと言う事は……。
シェリカ「できないわ」
ステラ「どうして」
ステラとは契約して助けてくれるのに、なぜツヴァイは駄目なのか。
シェリカ「契約するって事は簡単なことではないの、その人の事をきちんと見て、相手が死んで自分もそれに巻き込まれていいくらい信用できる相手でないとするものではないのよ」
ステラ「そんな、大変な事だったの」
簡単に請け負われたから、体力を使うと言う欠点はあるものの、条件さえよければ誰にでも出来る物だとばかりに思っていたのに。
ステラ「だったら、私が精霊使いになるわ。どうすればいいの、方法を教えて」
ツェルト「気持ちは分かるけど、さすがにそれは、ステラでも無理だと思うぜ」
心配してくれる人の事も分かるが、それでもステラは諦めたくなかった。
シェリカ「それは、無理よ。精霊使いになるのは、努力じゃどうにもできない。生まれ持って備わっている素養がないと無理だわ」
ステラ「それでも……ゼロじゃないんでしょう」
シェリカ「ええ、確かにそう。けれど……」
何かを言いかけたシェリカを遮るように、エルルカが手を挙げて発言する。
エルルカ「ちょっといい?」
シェリカ「エルルカ?」
エルルカは、寝かされているツヴァイを視線で示しながら、提案をする。
エルルカ「それなら、私が契約するわ。それで解決でしょう」




