星43 もう一人の精霊使い
その後も色々と半日ほど校内を見て歩いた。
もうそろそろ文化祭が終わる頃だろう。
片付けかけの店を見ながらステラはクラスに戻るべく歩いていた。
そう思っていると、エルルカが走って来て縋り付いた。
エルルカ「ステラ、姉さんを助けて、あいつに捕まってしまう」
ステラ「エルルカ、どうしたの一体」
取り乱している様子のエルルカに聞きたい事はやま程あるが、まずは落ち着けなければならない。
肩に手を置いて、膝を追って視線を合わせて。
ステラ「大丈夫。私が助けに行くから、だから落ち着いて」
エルルカ「……姉さんが、シェリカ姉さんが、ヨルダンって男に連れていかれてしまうの」
ステラ「ヨルダンが!?」
落ち着きを取り戻したらしいエルルカが述べた言葉にステラは驚く。
エルルカ「そいつは、ステラの呪いを解かれたら困るってそう言って姉さんを連れて行ってしまう。そして、姉さんが奴らの実験によって壊されてしまう」
ステラ「実験?」
そういえば、エルルカは過去形ではない喋り方をしている。
まるでこれから何が起こるのか分かっているかのようだ。
エルルカ「私には未来が分かる。だって私も姉さんと同じ、精霊使いだから」
ステラ「エルルカも?」
姉妹揃って精霊使い。
そんな事あり得るのだろうか。
いいや、あり得るのだろう。
調べ物には、聖霊使いになれる資質には遺伝も関係していると書いてある。
姉妹でありもっとも近しいものであるエルルカなら、ありえる話だった。
そもそも彼女が嘘を言っている様には見えないし、嘘をつく理由だってない。
ステラ「彼女の元に急がないと、エルルカは先生に言ってきて」
エルルカ「分かった。お願い」
ステラ「ええ」
ヨルダンがいるのだとしたら、ステラ一人の手には余る問題だ。
一人で何とかできるとまではいかないが、何とか時間を稼がないといけない。




