星40 剣のシェリカ
辿りついたAクラス。
中に入ってそこで行われているのは、剣舞だった。
それは剣を使った見事舞いだった。
仮想敵へ繰り出される剣の技の数々が、玄人技でありながらも一般客にも分かる美しさを備えていて、まるで見えない芸術品を鑑賞しているような感じだった。
ステラは今まで、剣を動かす事とは誰かを傷つけるための行為だと思ったが、あんな風に人を魅せる為の動きも出来るのだと初めて知った。
ステラ「すごいわね」
エルルカ「そう、姉さんは凄い。とても凄いわ。落ちこぼれの私なんかよりも……」
ステラ「エルルカ?」
顔を俯かせるエルルカの様子が気になるのだが、次の瞬間に声をかけられた。
シェリカ「エルルカ?」
先程まで剣舞を踊っていたシェリカだ。
こちらの姿に今気づいたと言った様子で、急いで駆けてくる。
シェリカ「遅いから心配した。ひょっとして迷ったの? 分からない時は私を呼んでって言ったのに」
エルルカ「来れたから問題ない。姉さんは自分の事だけ考えていて。私は大丈夫だから」
シェリカ「そんなこと言って。変な輩に絡まれたりしたら面倒じゃない。大丈夫だったの?」
エルルカ「私は平気だから、放っておいて」
シェリカ「だけど……」
催し物を見に来るのだから仲は悪くないと思うのだが、この終いには色々と複雑な事情がある様だった。
ステラ「あの……」
シェリカ「あら? 貴方は確かステラードさんだったわね」
どう声をかければいいのか、と考えていると、知り合ったばかりの女生徒である相手から名前を呼ばれて驚いた。
ステラ「どうして私の名前を?」
シェリカ「知らないの? 貴方、入学してから結構有名人なのよ。いつも課題の成績がトップだし、入学式初日に失礼な三年生を打ち負かしたとかって話で」
ステラ「ああ……」
そういえば、そんな事があった。
前者はそうなるべくして努力したかので、ともかく後者は不幸な出来事だった。
下級生をいびっていた三年生をたしなめようとしたら、なぜか決闘になてしまって、剣で負かしたのだったか。
あれが原因で、学校中にステラの名前が知れ渡ってしまったのだったか。
あの後、生徒会会長に目を付けられて説教されたんだった。




