星38 文化祭
ステラの通っている学校にも一応文化祭はある。
騎士を養成する学校と言えども、授業ばかりでは、生徒達の息が詰まってしまう。
そういうわけでたまには息抜きしてもらおうと言う事で、その日はかねてから準備が行われていた文化祭だった。
各自店や催し物を開いて、交代で店番するといった感じになっている。
それで、ステラの所はというと……。
ステラ「メイドと執事喫茶なんてどうなのかしらって思ってたけど……、意外に皆やる気なのよね」
需要あるのだろうかと思ったのだが、普段触れられないメイドと執事の作法とやらに触れた生徒は、そういうのが新鮮だったらしく、積極的に店を動かしている所だった。
プライドの高い人間あたりは、誰かに仕えるなんてまっぴらごめんだとか言いそうだが、ステラのクラスには好奇心の強い人間しかいなかったようだ。
ステラ「えっと、確認しなくちゃね……まずは、お待たせししたご主人様。何かご注文はありますか? えっと、それで最後に……ご注文はこれでよろしいでしょう、か?」
言いなれない。
いざという時、言葉に詰まりそうで若干怖かった。
ツェルト「ステラのメイドさん言葉良いな。な、もう一回俺に言ってくれないか。ほら俺、練習台」
一人で口調の確認をしているとどこからともなくツェルトがやってくる。
散々ツェルトには練習台になってもらったのだが、なぜかその後もこうして練習台になりたがるのだ。
ステラ「ツェルトって物好きなのね。そんなにメイドさんが好きなの?」
ツェルト「心外だ。俺はステラだから良いんだよ。他の人間の練習台になっても意味ないんだじ」
ステラ「向いてるのかしら」
ツェルト「ステラの事メイドのプロだと思ってるからじゃないぜ!?」
ツエルトに褒められるくらいには、様内なっている事だろうかと解釈すれば、なぜか対面でツェルトがうなだれる。
ツェルト「わかってたけどさ。わかってた。伝わらないもんだな」
ニオ「もー、ツェルト君ってば遠回しすぎ。そういうのはもっと直接的に言ってあげなくちゃ駄目なんだって。ステラちゃんなんだから、なおさらだよ」
そこに話しかけてくるのは、ニオだ。
同情するような口調で励ましの言葉をツェルトにかけるのだが、当人は元気にならない。
ツェルト「言えないから、おちゃらけてんだよ。普段の俺のこの態度。あー、真面目にならなきゃ駄目なのかな」
ニオ「ほんと変な所で臆病だよね、ツェルト君って」
二人は一体何について話をしているのか、ステラにはちょっと分からない分野の様だ。
女生徒「ステラー、お客様が入ったよー」
ステラ「今対応するわ! ……あ、じゃあ行くわね」
ニオ「うん、いってらっしゃーい」
ツェルト「あ、ステラがご主人様のところに! く、俺だったらどれだけいいか!」
ツェルトはひょっとしてご主人様と言う存在に憧れを抱いているのだろうか。




