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星35 呪いの研究



 ステラは奇妙な既視感を抱えたまま、遺跡の奥へと向かう。


 そこは、今までの実務的な景色とか少し違った場所だった。


ステラ「不思議な所……」


 いくつもの水槽が並んでいて、さまざまな魚がその中で泳いでいるのだ。

 最近王都で話題になっている、水族館という施設の事を思い出した。


 珍しい水の生き物を集めて水槽に入れて、飾ると言う施設だ。


ステラ「まるで海の中にいるみたいですね」


 中でも一際目を引くのが、奥にある巨大な水槽だった。


 身の丈以上の大きさの有るそれは、壁一面にはめ込まれるように設置されていて、その前に立つと、まるでこちらが海の中にでも入り込んでしまったかのような錯覚を抱かせる。


ステラ「ここで一体何をやっていたんでしょう。遺跡っていうんだから、ずっと昔にできた施設なんですよね。それなのにこの魚達、どうやって生き延びてきたのかしら……あ」


 そういうと、目の前で大きな魚が小さな魚に襲い掛かった。


 小さな魚は、大きな魚の鋭い牙から逃げるものの、体の半分を傷つけてしまった。


 真っ赤な鮮血が水に溶けていく。


 可哀想だと思うがあの魚はもう駄目だろう。

 時間の問題だった


 だが、それは弱肉強食の自然の摂理だ。

 人間がとやかく口出しする事ではない。


 そう思って、けれどせめて苦痛は無いようにと願わずにはいられなかったステラは、次の瞬間己の目を疑った。


ステラ「え、うそ……」


 虫の息とも思われた魚が、何故か急に元気を取り戻して泳ぎ出したからだ。

 しかもそれだけではなく、食いちぎられたか体が光を放って再生していくではないか。


ステラ「これって一体、どういう……」


 眼の前で起こった事が信じられずにいると、隣に立っていたツヴァイが動く。


ツヴァイ「まさか」

ステラ「先生?」


 ツヴァイは手直にあった水槽を選んで、拳を叩きつけてそれを叩き壊した。


ステラ「な、なにして……あっ」


 その唐突な行動の意味が分からずにいたが、直後その理由が判明した。


 零れだした水と、床に叩きつけられた魚。

 魚達は、割れたケースの破片で体を傷つけてしまうのだが、しかしその体を再生させていったのだった。


ツヴァイ「姿が見当たらねぇと思ったが、まさかこんな事になってるたぁな。この魚は精霊だ」

ステラ「えっ!?」


 けれど、目の前にある生物は目に見えるし、それにどう見ても魚にしか見えない。


ツヴァイ「正確には無理矢理に精霊を憑かせているって状態だな。ここは、呪いの研究施設だ。研究内容は不死。その為に精霊を利用していたんだろ」

ステラ「そんな」



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