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シトシトザンザン滝落とし


 夕方、雨の匂いがしてきた……



 日暮れと共にシトシト始まり、


 闇夜の頃には滝の様になっていった……


 夜が明けても暫くグズグズ続き、雨が明ける頃には 日もだいぶ上がっていた…………





「いやぁ降ったねぇ~」


「そうだなー」


 この山の道は、斜面に沿って横に登って行く形。

 何分、真っ直ぐ 縦じゃあ斜度がキツくて、馬が登ろうとしてくれないから‥‥

‥‥というか人間もキツくて登る気起きないだろうから‥‥


 なのでそのままだと、雨が降る度に道が削られるから、斜面と道の間に水を逃がす為に、自分の身長よりもまだ深い側溝が掘ってある。

 ただ掘っただけだから、土むき出しだけど。


 もしそこが詰まると、道が決壊する可能性が‥‥



 なので今はその見回り。

 側溝を左に見て、馬車の轍できた水溜まりやら、道を縦に流れた水の跡やらをけながら、じいちゃんと山を下っていた。


 因みにヴオリネンさんのとこは 山向こうの道をいつも使っているらしいから、きっと今頃山の向こうで、おんなじことをしてるんじゃないかな?



…………


「……やっぱりここは溜まってたか‥‥」


 斜度が緩くなった所に差し掛かると、 枝やら葉っぱやらが溜まり、おかげで土砂も止まってエライことに‥‥


「どーすんのコレ?」


「どかすんだよ」


 どうやって?と聞こうとした矢先、じいちゃんはおもむろに魔法を使い始め、溜まってたゴミの一部をゴソッと、掴み上げる様に持ち上げた。

 そしてそのまま道の反対にもっていって‥‥下へポイッ!



‥‥‥そっか‥‥この辺 殆ど原生林だけど、一応じいちゃんの土地だもんね。



「ちょっと自分もやっていい?」


「おぉ」



……そんな感じで四カ所ほど、じいちゃんと交代々々かたしていくと梺まで着き、道がぐるっと右に、山に沿って折り返していた。


 こんな遠くまで下るの初めてだなぁ~


‥‥まぁ案の定、ゴチャッとゴミが溜まってるねぇ‥‥傾斜が一気に減るからなぁ‥‥



 今度は側溝の向こう側にゴミを上げていきながら進んで行くと道は左に曲がり、更に進むと、

 そこそこ幅のある川と、馬車がすれ違えそうな大きめの橋に辿り着いた。



「‥‥何でこんなヘンピなところに こんなおっきな橋掛かってるの?」


「この辺の開発計画があったらしいんだよ。まぁ大公国の侵攻のせいで有耶無耶うやむやになったらしいけどな」


 へぇ~~


「それの名残がペスト禍の街だよ」


 あぁ~~‥‥



「じゃあ、全部ポシャったんだねぇ‥‥」


「理由はともかくな。じゃ、戻るか」


「そだね」


 近くに溜まった枝やらを川の方に落として ふぅと一つ空を仰ぐと、雲は殆ど見えなくなっていた。


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