表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/80

祖父の心に火が灯る

「ちょっと試して見てもいいか?」


 興味深そうな顔でそう聞いてきたじいちゃんに、【hi】の魔導書を渡す。

 その切れっ端をしげしげと眺めて……



………ボッ‥‥


「……おおぉ‥‥」



 魔力を通したじいちゃんは やっぱり驚いた様子だった。



 すると、おもむろに背を向けたかと思うと、さっきの空き箱をこっちに持って来て ひっくり返して置き


「そーいう面白そうな事は 俺もやりたいなぁ」


 凄い楽しそうにそう言いながら、箱の上に表紙の硬い本を乗せ


「全く ちょっと前に1単語魔導書なんて出た時は、実入りは悪いわ 面倒くさいわで かなわんと思ったもんだが、まさかこんな面白いことに繋がるとはなぁ」


 箱の前に座り込みつつ、目を輝かせてそう続けた。



 あ‥じいちゃん 何かのスイッチが入ったみたいだ



 しかし 十中八九そうだと思ってたけど、魔導書写すのって 仕事でやってたんだなぁ。




 じいちゃんは先ず 置いた本を下敷きにして、

 こちらと同じように、切れっ端に【hi】と書いた。


 魔力を通せばあっさり成功、流石じいちゃん。


「ん~‥‥何で誰も気付かなかったんだか………」


 切れっ端を手に、不思議そうな表情で一人ごちたじいちゃん



‥‥ホントにね。‥‥こっちも聞きたいよ‥‥


「先入観かねぇ………」


‥‥あ~そっかぁ‥‥それはあるかも‥‥


でも実は 他にも一つ、ローマ字のがない理由だろうなぁって事に心当たりがあって‥‥




 魔導書が魔法言語に縛られないと解ったじいちゃんは、 次なるステップに足を踏み入れた。




 “単語”から“文章”へ




 だがそこに、自分がもう一つの理由と 当たりを付けているものがあった。



 ろくろく読めない魔法言語なら、ある程度一定に魔力を込め続けるのは さして難しくはない。


 が、しっかり読めちゃうローマ字となると話は別、単語ごとに どうしても魔力にムラが出てしまって


 名詞や助詞で強くなったり弱くなったり‥‥


 特に助詞で弱くなるのが悪さをしてる様で、

 切れっ端で実験してるときも、ジッ!!っと音を立てて穴が空いたり、パン!と魔力が弾けて千切れて飛んだり‥‥何枚も何枚も‥‥




………ジッ!!


 あっ、じいちゃんも やっちゃったかぁ‥‥


 やっぱりなぁ‥‥



「おぉ………これはなかなか難しいな……………ハハハハ」


 あれっ?‥‥じいちゃん何か妙な笑いを浮かべてるよ‥‥



 二枚三枚と、ジッ!とやるじいちゃん


 さて、こっちも何かやろうかと思ったそのとき………



………ボボボッ!!‥‥


 炎が三つ現れた………



…………うそ‥もう成功しちゃったよ‥‥


……………凄ぇ‥‥じいちゃんスッゲェ!!!


「しゅごい!!いーちゃん しゅごい しゅごい!!!(凄い!!!じいちゃん 凄い凄い!!!)」


「おぉぉ‥‥そうか?」


「ん!いーちゃん あっき~よ~~!!(うん!じいちゃんカッコイイ~よ~~!!)」


「ハハハ、まぁじいちゃん 元魔法研究者だからなぁ」


「お~~ しょ~あんあ~、しゃすあ~~(お~~ そうなんだ~、流石~~)」


「まぁ、魔導書は専門じゃなかったけどな」



 ズコッ

 なんか心の中でズッコケた‥‥


 イヤ待った‥‥専門じゃないのに、こんなに達者に出来るなんて………


 やっぱじいちゃん凄い!!!




 にしても じいちゃん研究者やってたんだぁ、 確かにそんな感じするなぁ



‥‥杖無しの魔法、ケガしてでも覚えてたもんなぁ‥‥‥



 何か、すっごいしっくりくる‥‥‥‥

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ