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ラッキー・クローバーの自分探し。  作者: 蒼乃川 水人
イースラル(王都)。
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閑話・また来ないかなぁ。(王都ギルドの受付嬢)

 あんな子供だから大したことは無いと思ったのよ。

でも意外な実力者ってああ言う人のことなんでしょうね。


地方領主に雇われて王都に来たんだって言ってたの。

帰りまでのひと月の間は軽い依頼なら仕事してていいって言われたんだって。

ずいぶん寛大な雇い主よね。

待機の間は色々雑用なんかにこき使われたりするんだけど。


レベルがFじゃあ大した仕事は無いけどそのせいで塩漬けになっちゃうのも

結構あるのよ。

あの子はそういうのも気にせずに受けてくれたから有り難かったわ。


まあ、ペットの狼にじゃれつかれてちょっと反撃をしちゃったとかの

苦情もあったけどね。

あの狼は前にも別の人に〔じゃれついて〕くれたからホントはいい気味! って

思っちゃったわ。


指名依頼があんなレベルの子に来るなんて珍しいの。

魔術師の親睦会はギルドではちょっとした圧力団体なのよ。

驚いたわねぇ。


突然私が会合の席に呼び出されて何かと思ったらあの子に魔法の発動の実演を

手伝ってほしいと頼まれちゃったの。

私って魔力はないわけじゃあないけど発動なんて全然ダメな

ごく普通の受付なのにねぇ。


でも自分でもビックリしちゃったわよ。

私にもできるなんて! 


「魔力の量が多くないですから大した威力じゃあないですが

何度も使っていればそれなりに上がってきます。

魔術師さんたちほどはできないかもしれませんけど。

回復魔法と水魔法に相性がいいみたいですね」


もちろん火魔法もできるんだけどね。

もうなんだかウキウキが止まらないわねぇ。

回復魔法って言ってもちょっと二日酔いを治すとか回復薬の

一回分くらいなんだけどできるってのは嬉しいものなんだね。


魔術師さんたちはあの子を名誉会員にしたそうよ。

あの歳であのレベルで名誉会員なんて聞いたことも無いわよ。


後で聞いたら神官さんたちとか王都の警備隊とかいろんな人に

あの発動法とか身体強化を教えて行ったんだって。

そんな偉そうな子には見えなかったんだけどねぇ。


まあ、そんな特技がなくても嫌がりもせずに塩漬けな依頼を

スイスイこなしてくれたもの。

有り難い人材だったわよ。


滞在がたった一ヶ月だったのが残念だったわ。

また来てくれると嬉しいんだけどなぁ。

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