35・召喚者情報。
ビデオな魔道具は三日もしないうちに帰って来た。
魔道具の専門家さんはコワレた古いモノを持ってたとかで
完品なオレのを見て疑問が解消したそうでお礼を言われた。
オレ、持ってただけで造ったわけじゃあないんですけど。
ココの魔道具とは少し違ってるところもあったそうだけど
概ね同じだったそうで完成品も持ってきていた。
ガイ様は色々試されて満足されたようで彼に量産するように依頼された。
まあ、ココには特許なんか無いし造れるのは専門家だし
お金を出せる人も限られている。
以前は有ったものだからオレのが有ったからってこの世界の未来を歪める
なんてことにはならないと思う。
ガイ様はどうやら王様に献上しようと思ったみたいだね。
話を聞いたことはあっても皆が持っていない品物って
プレゼントには最適かもしれない。
オレは山のような召喚者についての書類を読んでいる。
「山」なんだよね……コレ。
やっぱりオレってこういうのは向いてないのが良く分かった。
見兼ねたのかガイ様の部下の方が手伝ってくれた。
一番昔の召喚者の記録は千年前。
一番最近はあの国をぶち壊して行方不明になってる勇者。
召喚者が全員勇者なんてことは無くて勇者は三分の一くらい。
あとは色んな職業でどれが多いってことも無い。
やっぱり戦争とかあると召喚しちゃうことが多いね。
今は戦争が終わったアトだから切羽詰まって召喚とかはしないはずだと思う。
だって勇者なんてもう必要ない状況だもんね。
う~ん、オレって事故か迷子でココにいるのかなぁ?
この国の召喚者で生きてるのはサトーさんだけだね。
あの人の家の領地にオレが居たのって何か意味があるんだろうか?
まあ、おかげで名前とか分かったんだけど。
さすがに他の国の情報は少なめだ。
魔族の国、獣人の国、エルフの国、ドワーフの国それぞれの国が
幾つも有るのでややこしい。
でも今の勇者は人間でココの世界の出身だそうだ。
彼は戦争を終結させた立役者だったそうだ。スゴイね。
戦争は人族の国々の連合軍と魔族と獣人の国々の連合軍の戦いだったそうだ。
勇者は痛み分けと言った感じで引き分け状態に持ち込んだという。
世界のバランスのためにはどちらかが大勝利ってのは確かにマズイ。
戦後の社会の安定度も違って来る。
ココの勇者はそういうことが分かってて引き分けな状態に誘導したんだろうか?
アレ? 世界のバランス?
勇者って魔王とかドラゴンと戦うだけじゃあないのかな?
世界のバランスってそんなに重要事項なんだろうか?
ちょっと思い出しかけたように思ったけどまたなんだか
また霧の向こうに隠れてしまった感じがした。
ガイ様のアドバイスに従ってちょっとでも気になったことは
メモするようにしている。
カケラばかりだけどね。
時々読み直してみるけどなかなか特別なことは思い出せない。
もう、諦めたほうがいいんだろうか。
でも……
サトーさんは元の世界に帰れなくても頑張って生き抜いた。
オレにその覚悟があるんだろうか?
過去が分かればそう言う事も実感が持てるかと思ったりもしたんだけどなぁ。
召喚者の情報が集まったことでかえって戸惑ってしまうクローバー君なのでした。
情報は集まっても彼に関する情報はほとんど無かったようです。
彼はどうも召喚されたんじゃあない可能性が高いみたいですね。
でもそうなるとかえって困るかも。
だって召喚主をとっちめて元の世界に戻せ! って迫る事すら
できませんからね。
ラッキーはガイ様と魔道具専門家さんに来たようです。
ホント……クローバー君のラッキーはどこに行ったんですかね?




