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28・生徒増殖中。

 ご令嬢は綺麗な人だった。

お歳は17歳、ココの成人は15歳でもっと前から婚約を

する貴族は多いんだそうだ。

彼女はご両親が居ないことなどから敬遠されたらしい。


でも、ご令嬢に魔法は必要ないと思うんですけど。


「あなたに旅の途中でコボルトから助けてもらいました。

お礼もさほどできなかったことをお詫びします。

あの時、私は何もできませんでした。

震えているだけで。


女なので武器での戦闘に加わることなどできませんが

あの時あなたは回復魔法を使ってましたね。

アレを見て私もできたら護衛達の役にたてたのでは? と思ったのです。


攻撃の魔法がもし使えれば援護もできたたでしょう。


もちろんできるとは限りません。

でも、可能性があるのかだけでも確かめてみたいんです」


ということでガイ様からもやらせてみてくれと言われて試してみることに。


驚いたことにガイ様より魔力が多い。

神殿の子供達とおなじくらいかもっとある。

しかも回復魔法ができた。かなりの威力がある。

もしちゃんと神殿で修行できるなら神官にもなれるだろう。

でも、結婚するんだよね。


ご令嬢は喜んでくださった。

「今度ひいおじいさまにお目に掛かれたら回復魔法コレをかけてみたいですね。

喜んでいただけるかも」


あー、そうですね。

オレなんかのよりずっと喜んで頂けると思いますよ。


他の初級魔法もできたけど手品ていどだね。

なんというか攻撃的なことは苦手なようで大きな効果は発動しなかった。

まあ、回復魔法ができるから気にしなくてもイイと思う。


そうこうしながら旅は進む。

護衛さん達は身体強化の常時展開とか一時的な強化とか色々と頑張っている。


ご令嬢は回復魔法を色々試しているようだ。

見ちゃったんだよね、乗ってる馬車の馬で試してるの。

疲労回復の効果は抜群で次の日に御者さんがなんだか苦労してたのが笑えたね。


王都までの間には別の貴族の領地が三つほど連なっている。

道の舗装は勝手にしちゃっていいのか? と思ったけど

ガイ様はちゃんと根回しして了解を取ってあった。

むしろ感謝されたそうだ。


お隣の領では誰も来なかったけど次の領では役人と

お抱えの土魔法使いが二人ほど来た。

土魔法での舗装を伝授してほしいとの依頼だった。


ガイ様もオッケーを出してくれたので一緒に付いて来てもらって

オレのやってるのをまず見てもらう。

休憩と野営の時に実技指導。

土魔法を使い慣れてる方々なのですぐにコツを掴んだ。


でもどうやら長距離を一辺に舗装するのは無理だった。

オレは魔力量が多いし魔力の回復も早い。

光魔法は燃費が悪いとでもいうか消費量がハンパないけど

土魔法はそれほどでもない。

どうやらオレって土魔法とは相性がいいみたいだね。

なので楽々長距離の舗装を続けられる。


土魔法使いさん達はあきれてたけど自分たちのできるペースが分かったそうで

納得して帰って行った。

ココの領地の道も楽に通れるようになりそうだね。


王都に一番近い領地のご領主はガイ様のご友人だった。

ご令嬢の婚約を喜んでお祝いして下さったそうだ。

領都での宿泊はこの領主さまの別邸だった。

もう亡くなられた先代様の隠居されてたところだと言う。


広いので護衛さん達は例によって身体強化の特訓中。

それをみた領主さまが驚いていた。

やっぱりできる人も教えられる人もいないんだそうだ。

あー、まただよ。


結局滞在が一日伸びてしまった。

ご友人のためとはいえ予定外の滞在なんていいのか? 

と思ったら舗装道路を通ったせいか当初の予定より

早いのだそうだ。


う~ん、、オレってやっぱり護衛じゃあないよね。

絶対魔法要員だよね。


護衛のほうがカッコいいのになぁ……と

思っちゃってるクローバー君なのでした。


 そういえば彼って魔法を使いまくってるけど

武器を使ってないね。

ダンさんとかと訓練はしてたようだけど。


やっぱりもう魔法使いってことにしちゃったらあ? 

え? やっぱり武器も使いたいのね。

う~ん、君ってホントに強いのかい? 

トロール以来魔物も魔獣も出てないもんねえ。

出てても多分他の護衛さん達がやっつけちゃっただろうし。


やっぱり君は魔法使いってことにしときなさいな。

そのほうが得な気がするんだけどねぇ。

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