25・トロールとドラゴン。
馬に乗れるようになったので馬車は処分した。
荷物はアイテムボックスにいくらでも入るしね。
道路舗装係なので先頭を行く、索敵もしながら。
なので魔獣の気配にはすぐ気が付いた。
でも五頭も居るなんて自分の索敵が変になったかと思ったよ。
なので護衛の騎士さんにも確かめてもらう。
索敵ができるのはオレだけじゃあなかったからね。
いくら護衛さん達が強くても五頭もいたら敵う訳もない。
魔術師さんも付いて来てるけど二人だけじゃあとても
五頭は抑えきれないだろう。
ガイ様もご令嬢も一緒なので危険は避けなければ。
一旦引き返して討伐隊を組むほうがいいということになった。
でもこっちの都合に魔獣が合わせてくれるわけもない。
気付かれてたんだね。
襲って来たんだよ。
当然ガイさんやご令嬢の馬車は回れ右で全力で逃走。
オレは一番前だったので一番後ろになった。
魔法が届くギリギリの所に追いつかれたとき
まず一発ウィンドカッター。
でも怯まない。
魔獣はトロールだった。デカすぎだよ!
しかもゲームと違って巨体のくせに早い!
なので土魔法で落とし穴。思いっきり深く。
うん。二体は落ちた。
次の奴は飛び越えて来たので着地点に穴。落ちろ!
逃げながらの魔法はなかなか思ったように飛ばせない。
それでも落とし穴と壁と土の槍で追いかけてくるヤツを
二頭まで減らした。
もうそろそろ魔力の底が見えて来た。どうしよう……
土魔法じゃあ……あ! なんで土魔法だけ使ってたんだろう?
一時でも怯ませれば逃げ切れるはず!
なので魔力を気を失わないギリギリのところまで使った。
二頭が接近したタイミングを見計らって電撃魔法!!
後がどうなったかはもう振り返らなかった。
ただただ前を行く護衛さんの後を追いかけた。
気が付いたら知らない天井を見上げていた。
ココはトロールとの遭遇地点から一番近い街だそうだ。
オレは付いたとたんに馬から落っこちてベッドに放り込まれたらしい。
逃げたのは皆同じだけど気絶はやっぱりカッコ悪いね。
ガイ様は討伐兼調査隊をあっという間に編成してもう出かけられたそうだ。
オレの魔力はもう戻ってる。
食い止めるくらいはできたのだから手伝うくらいはできると思う。
なので飛び起きて追いかけることにした。
ところがガイ様たちはすぐに戻って来た。
トロールたちは皆死んでたと言う。
オレの魔法で動けなくなったり動くのが鈍くなったりしたところを
別の魔獣にやられたらしい。
別の魔獣はドラゴンでもう飛んで行ってしまったそうだ。
あー……ありがとうドラゴンさん!
ドラゴンはやっぱり最強なんだねぇ。
でもなんだってトロールなんかやっつける気になったんだろう?
きっとなにか気に喰わないことがあったんだろうな。
まあ、ドラゴンが何を考えてるかなんて分かんないけどね。
「君のおかげで逃げきれたしラッキーなことにドラゴンが
トロールを片付けてくれた。
五頭も居たので魔石も素材もタップリ手に入った。
姪には怖い目に遭わせてしまったが収入としては破格だ。
急ぎで編成した討伐兼調査隊の報酬も軽く払える。
姪の結婚祝いもはずんでやれる。
だが気になることがあってね。
最後の二頭がほとんど無傷だったんだよ。
ドラゴンが手出しした様子が無いんだ。
何をしたのか教えてもらえるかな?」
……さすがに領主さまは色々鋭い方のようです。
あー、ドラゴン……この世界にもいたんだねぇ。
あ! 骨になってたヤツがいたんだから当然生きてるヤツも
居て当然だよね。
まあ、今の所敵にはなってないみたいです。
それにしても領主さま、大儲けですね。
出費もかなりかもしれませんが収入もよかったみたいです。
でもソレに惑わされてないってのは流石ですよね。
さてクローバー君、どうしましょう?




