26・全面開示。
あー……元勇者だってのはサトーさんに言われて内緒にしてたんだよ。
この方はサトーさんのお孫さんだし黙ってた理由も
サトーさんのアドバイスだからいいよね。
と言うことで秘密は全面開示。
驚かせて済みません。
「お祖父さまの指示だったか。
まあ……元とはいえ勇者じゃあ無理もないか。
あれは雷魔法だったんだな。
なんで最初から使わなかったんだね?」
あんなトロールの群れなんて初めてでパニックを起こしちゃったんです。
他にも使える魔法はあったのに風と土の魔法しか出てきませんでした。
勇者と言ってもそんなに強い勇者だったとは思えません。
最後のギリギリになってやっと他の魔法の事を思い出したくらいですからね。
仲間にもお前はビビリだって……仲間?
オレ……仲間がいたのか。
「君はちょっとした拍子に過去を思い出すみたいだね。
思い出したことはメモにでも取って置くといいよ。
何度か見ることでもっと思い出すかもしれないからね。
君が最後の二頭を倒したとするとアレは君の獲物だね。
相応の値段で君に……」
あー、要らないですよ。
オレそんなにお金持ってても使いようがないですし。
大金持ってたらかえって危ない気もします。
「ハハハ、、欲のないことだ。
じゃあ、一頭分は護衛と討伐・調査の参加者のボーナスだな。
もう一頭分は受け取ってほしいんだがねぇ。」
じゃあ、神殿の孤児院に寄付したいです。
あの子たちの将来のために使ってください。
オレはココで身内が無いも同然ですがあの子達も同じです。
いろんな人のおかげでなんとか生きて過去を探せてます。
あの子達にも助力は必要でしょうから多少でも力になってあげたいんです。
「そうか、、孤児院には領主としても多少の援助はしている。
だが孤児は減らなくてね。寄付してくれるのは有り難いよ。
戦争は終わったのにまだまだ社会は不安定なんだ。
王都の方々も頑張ってはおられるんだが……
じゃあ、ソレは寄付ということで処理しよう。
もう一頭の分は皆にボーナスということにするから君も受け取ってくれ。
皆と同じ額なら文句はないだろ?」
はい。たまたまオレの魔法が当たっただけでコワイ思いをしたのは
皆同じですからね。
皆と同じでいいですよ。
「まったく欲のないことだな。
トロールの処理はココの街の代官に報酬付きでやってもらうことにした。
魔石は回収したから素材とかなんだが結構手間でね。
私達は王都に向かわねばならないからココに長居はできない。
明日には出立するつもりだ。またよろしく頼むよ」
こちらこそよろしくお願いします。
まあ、隠し事も無くなったのでちょっと気分が楽になった。
王都まではまだ三分の一位だから油断は禁物だね。
索敵はもっと注意深く行こうと思うクローバー君なのでした。
元とはいえ勇者です。並の護衛より頼りになります。
倒したのが二体だけとはいえ残りは行動不能に
近い状態にしました。
領主さまとご令嬢はちゃんと真っ先に逃がしてますから
護衛としては任務を完遂してます。
さて次は王都の話……かなぁ?




