閑話・今日からオレは!。(オタクさん)
ダートの街で神官をしてるイージスは真面目でちょっと
面白味は足りない奴だがイイヤツだ。
従兄弟で騎士のロブといっしょにダートを守っていると言っていいだろう。
アイツの紹介状を持ってきたのは変なガキだった。
ほんの少し前からの記憶しか無くて自分の過去を探してるなんてな。
だけどオレが魔法の研究をしてるのに魔法は使えないと聞いて
発動法を知ってるので試してみないかと言う。
あー、色々試したことはあるんだがどうしてもできなかったんだ。
ところがアイツに言われた通りにやったらたった三回試しただけで火が付いた。
「良かったね、オタクさん!」と言われたがオレの名前はオクタだ!
オタクってなんなんだよ!
好きなことに没頭して他のことが留守になりがちなヤツ……か。
まあ、当ってるかもな。
でもおれはオクタだからな! オタクじゃあないぞ!
ソコんとこ分かれ!
だが魔法を使えるようになったのは嬉しかった。
威力はたいしたことないが確かに魔法だ。
何度も使っていけば威力と精度が上がるという。
まあ、オレの魔力量は大したことは無いようだから
大魔導師なんかになるのは無理だろうが使えるようになって
なんだか資料の見方が変わった気がする。
今日からオレは魔法使いだ!
なんかニヤニヤ笑いが抑えらんないな。
あー、傍から見たらキモイヤツになってるかも。
アイツは記憶の手がかりのクローバーを探していた。
そんなものはオレも聞いたことがない。
コノ世界の他の世界、異世界のことをアイツが聞いて来た。
ココの領主の先代だか先々代は異世界から呼ばれたヤツだ。
そういうヤツは時々居て無理矢理な召喚に怒って国まで
ぶちこわしたヤツも居たって話だ。
コイツはそういうヤツなのか?
でも、
「まあ、呼ばれたヤツが全部国を壊すヤツって訳でもないさ。
アンタがドコのダレでもイージスとロブの友達なんだから
オレは気にしないがな」
そう言ってやった。
アイツはちょっとホッしたようだった。
自分が誰かも分からないのにそんな怪物めいた存在かもしれないなんて
オレだってヤだもんな。
イージスがわざわざ紹介状まで書いて来たんだ。
アイツの人を見る目は確かだしオレだってクローバーは気に入ったからな。
この図書館に自由に入れるようにしてやるくらい大したことじゃあない。
……なにか見つかるといいんだけどな。
電化された生活もそんな生活を知らない人から見たら
充分魔法的だと思います。
コッチの世界にオクタさんが来たらどう思うか
聞いてみたいですね。
魔法も技術の一つの世界でしょうが使える人ばかりではない
というところが困ってるところかもしれません。
スイッチひとつでできちゃうコッチの世界はある意味
平等なのかもしれませんね。




