20・迷子な勇者。
神殿のステータスの石板は有料だそうだ。
イージス神官が無料でやってくれたのでついココも無料かと思っちゃったよ。
まあ当然お支払いしました。
街の入場税の半分でした。
名前は分かってるのでその下だね。
サトーさんの解読法を当てはめてみた。
職業:元TYYAGあ・TうYAGあBおSえAGい
元YUUSHA・YUUSHANODESHI
元ゆうしゃ・ゆうしゃのでし
……勇者? えええええぇぇぇ……
元ってモト、、なのか?
しかも勇者の弟子って出てる……
ということはモト勇者で今は別の勇者に弟子入りしてるのか。
う~ん、その師匠な勇者は何処に居るんだろう?。
ステータスの数字表記はあきらめた。
サトーさん式で解読するとココの人たちの基準から大幅に
ハズレまくりな有りえない数値になっちゃってたから。
スキルと魔法はちゃんとそれらしく解読できた。
スキル:異言語理解、アイテムボックス、弓術、槍術、剣術、
格闘術、投擲術、身体強化、索敵
魔法適性:風、火、土、水、木、雷、光、回復
いろんな魔法に適性があるってのはやっぱり勇者っぽいよな。
ともかくメモってサトーさん報告してみることにした。
領主さんの館では土魔法使いの方が五人ほど待っていた。
もう少し待ってもらって先々代さまのサトーさんに解読結果を報告。
やっぱり驚くよね……勇者って。
ちなみにサトーさんは魔法剣士だったそうだ。
サトーさんは数字をじっと見ていた。
「君がモトでも勇者なら数字が大きくても変じゃ無いと思う。
数字のキーはズレてないんじゃあないかな。
記号表示にはなっててもアルファベットにも〔かな〕の表示にも
なってないからね。
多分同じキーの記号になったんだよ。」
そういえば0のキーには記号が配されていない。
レベル:!”&➡126
HP:”%0#0➡25030
MP:#0&0$➡30604
桁が大きすぎる気がどうしてもするんですけどねぇ。
勇者のレベルって100越えでもオッケーなのかな?
ココの世界には今はココ出身の勇者がいるんだそうだ。
サトーさんのように召喚されても勇者じゃあなかったり
勝手な召喚に怒り狂って国を壊しまくるような勇者だったり
ということが続いたので召喚が廃れたと。
う~ん、じゃあオレってどうしてココにいるのかねぇ。
召喚じゃあなかったら何かの事故とか?
まあ、分からないことは考えすぎても良くない。
今日は土魔法のレクチャーもする予定だし。
さっきから大分待たせちゃったしね。
サトーさんにご挨拶して退出。
庭を借りて井戸掘りと道路舗装の講習会。
みなさん現役の方々なのでちょっとコツが分かればあとはスイスイだった。
地下水脈の探査は水魔法のできる人がやったほうがカンタンなので
水場の設置にはチームのほうがいいかもしれない。
ココの土魔法使いさんたちは大きな攻撃魔法までできる人がマレだそうで
戦争に行っても戦死者はあまり多くなかったんだとか。
つまり他の属性の人より多く残っているんだそうだ。
「おかげで仕事が最近は減り気味でさ。
アンタのおかげで新しい仕事が増えそうで有り難いよ。
まあ、街中だけで仕事って訳にもいかないだろうけどな」
そうか……外でだと街の中より危険だよね。
なので土魔法の攻撃魔法を伝授してみた。
一番簡単な石礫の魔法だけでもかなりの効果が
盗賊なんかにはあったからね。
もちろん、もっと威力のある魔法ができちゃう人もいたので
少しはお役に立てたと思う。
覗きに来た領主のガイ様はなんだか妙な顔をされていた。
どうしたのかと思ったら先代も土魔法ができたんだそうだ。
でも攻撃的なものまではできなかったそうで
「いや、できていたら戦死しなかったかも……とね。
まあ、もし……とか言ってたらキリは無いんだがね」
戦争はもう終わっている。
でもまだ傷は完全には癒えていないのか。
そうだよね……もしかしたらずっと癒えないかもしれない。
なんだかしんみりした気分になってしまった。
明日は元のフロルの街に帰ることを告げてサトーさんにも
ご挨拶して宿に戻った。
サトーさんのおかげで名前は分かったけどこの世界の名前ではなかった。
勇者か……迷子の勇者……でも迷子って……
オレじゃあない誰かの事のような気がするのが
なんだか不思議でならなかった。
自分の名前のハズなのに自分のじゃあないような
気がしちゃってるみたいですねえ、クローバー君。
土魔法の講習会は上手く行ったみたいですね。
もう、ギルドの冒険者は止めて魔法の先生にでも
なったほうがイイかもね。
あー、そういえば戦闘シーンがほとんど無かったです。
どうしたもんでしょう。
有った方がイイですかね?




