後編
「え?」
「もう一度言う。俺と婚約して、結婚してくれ。」
何言ってんだこいつ。人の秘密を暴露しといて何が婚約だ!結婚だ!
私、これから「おっぱい令嬢」って呼ばれるかもしれないのよ!?
てか、さっきから悪態晒してるせいでお嫁にいけなくなっちゃうわよ!!
あ、今すっごい大事なこと思い出した。
「こほん。シグムンド様。先程は勢いで許可してしまいましたが、婚約破棄も、新たな婚約も、現 王様を通さなければならないのではないかしら?」
「嗚呼、可愛い私のティアナ。そんなことまで心配しなくてもいい。もう許可は取ってある。」
そう言ってシグムンドが取り出したのは二つの書類。
二つとも王印が押されている。
「シグムンド様!? いつの間に…!」
「“去年”からだ」
「シグムンド様が消えた時からじゃないですか!仕事して下さいよ!シグムンド様の 尻拭いは貴方の弟や私に回ってきたんですよ!」
「いやあ、はっはっはっ。」
「兄上!天晴れ!最高‼︎」
王族はもう駄目だ…ユーリちゃんもコサックダンス踊らないの!
周りもコサックダンスが 見えていないようだ。
私だけか、マトモなの!
「さて、ティアナ。この婚約を受け入れてくれるかな?」
もう許可とってる癖に!
天晴れでもなんでもないわ!
「でも、シグムンド様。何故、私なのですか?私より、ユーリ様の方がいいのではないですか?主におっぱい…」
私の貧相な断崖絶壁より、たゆんたゆんのすいかおっぱいの方がいいに決まってる!
揉み心地とか…
私のなんかスカッスカッてなるわよ!
ふん、いじけてやるう!!
「ティアナ様!ユーリ様呼びは白々しいですよ!ユーリちゃん呼びして下さい!おっぱい揉んでいいです…もごっ」
「しっ !ユーリ!今は静かに!それとおっぱいって言うのはやめなさい!お胸って言うんだよ?絶対!」
「はーい」
話を遮って入ってきたユーリ。リリューシアは彼女の口を塞ぎ、ずるずると説教をしながら引きずってゆく。
シグムンド様が話していいか?とアイコンタクトを取ってきたので私はこくりと頷いた。
それからシグムンド様は勿体振りながらもゆっくり話してくれた
「俺は…実は…
______ ちっパイ派なのだよ‼︎」
「は、馬鹿じゃないですか」
しまった!話のくだらなさについ本音がああ
だって、急に性癖話されたら罵詈雑言のひとつは言いたくなるわい!
当たり前よ!私、悪くない、絶対!
「ふっ、馬鹿だと言われてもいい。だが!ちっパイを侮辱するのは許さん!
この国の女性のちっパイ、でかパイ言い換えると貧乳、巨乳の割合は1:9と言われている。それほどのちっパイ不足!しかもちっパイでカップがAAなのはこの国では、貴女しかいない!私はちっパイが只々好きなのではない。そのちっパイに対しての何故かくすぐられる無いはずの母性!それが良い!しかも貧乳は感度がいいらしいときた ‼︎」
「最低だよこの人!」
やばい。何この人。
人の前で性癖暴露してるだけじゃない。
解説までしてる!?あいたたた〜
「くはっ!もう逃げられないぞ〜?俺はもうティアナの両親からも婚約を取り付けている!現王である父上からも許可を取っている!外堀は1mmもの隙もないぎゅうぎゅう状態にしている!こじ開けたらそのプレッシャーがどっと襲ってくるぞ?さあどうする?」
やばい。ここまでされると逆に関心。
失踪してた一年間ずっとこんな事を…?
現王様も黙ってたんかーい!
私達が一年間していた努力は…
色々頭をよぎるが、その間にもシグムンド様は「さあ!さあ!さあ!」と急かしてくる。あいつ〜!
「…っ!…分かり…ました…」
これは私の完全なる敗北だ。
せめてヒロインのチチを揉まなければ…!
変態と面識がなければ…!
ああっ!!いじらしい!
そして 私は シグムンド様と 結婚する 事となった…
まあまあ幸せになっちゃってるんですけどね!
最後まで読んで下さってありがとうございます!
日間恋愛ランギングに入った時はとっても嬉しかったです!