第6話 始まりの場所
数日後。
ついにその日がやってきた。
荷物は事前に手配された業者の手によって、当日には移動が完了していた。
苺依が向かったのは、ホテルから数分のところにある一等地。
そこにそびえ立つ超高層マンションの最上階。
セキュリティを3つも抜けた先にある部屋。
第一印象は生活感が一切ない、モデルルームのような冷たい空間だった。
――――ピンポーン
呼び鈴を鳴らすとTOMAが玄関を開けに来た。
「やっと来たか。入れ」
「お邪魔します」
「自分の家なのに?」
「あ……」
「………ふっ」
前を歩くTOMAが少し笑った気がした。
リビングに通されると、その圧倒的な広さに驚く。
「ひっっっっろ!」
映画館か?
と突っ込みたいくらいの大きなテレビ。
パーティーでもあるの?
っていうくらいでかいテーブル。
想像以上なんだけど。
っていうか家賃いくらなんだろ。
考えただけでも恐ろしい。
TOMAはリビングに入るなり無造作に上着を脱ぎ捨て、ソファに座り込んだ。
画面越しに見ていた「王子様」の面影はどこにもない。
「喉乾いてんなら、冷蔵庫の水勝手に飲んでいいから」
「あ…ありがとう」
苺依が緊張でガチガチになりながらキッチンへ向かおうとした、その時だった。
――――ピロリローン♪
軽快な電子音とともに、玄関のロックが外れる音が響く。
「トマくーん! 買ってきたよー、タピオカ!」
「……チッ、また来たのかよ」
リビングに飛び込んできたのは、見覚えのあるピンクヘアの美少年。
XENOのSHOだった。
――To be continued




