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竜(ラトス)の探知能力4
「マザド・グラムヴィル──天火竜…!
火華──尾火ッ!!」
マザド・グラムヴィル──天火竜。
そう呟くと、ラシュフェーニカは両手で円を作り、その中に息を吹きかける。
すると苑を通ったラシュフェーニカのわずかな吐息がカタチを成し、金色に輝く大型の大きな大きな槌の姿となった。
マザド・グラムヴィル。
ソレは意志を持たぬグラムヴィル。
通常自我を持ち、民と同じように行動し生きるグラムヴィルと違い、持ち手の意のままに動く“物”。
ラシュフェーニカのマザド・グラムヴィルは大型の大きな大きな身の丈よりも大きな槌の形をした金色のマザド・グラムヴィル。
ソノ重さはなんと五トン。
ソレを意のままに操り振り回せるのは、彼女が竜だからだろう。
竜は通常の民と違い、強大な力や特殊な力を持つ。
腕力や脚力もしかり、気の流れを感じられるのもしかり。
ソレは竜だから、とも言えるだろう。
ラシュフェーニカがマザド・グラムヴィル──天火竜を振るう。
ドカン!!と大きな音を立てて、壁に大きな穴が開いた。
「!
やっぱり」
ソノ先は通路だった。
しこしソコには先程の恋乙女が立っていた。
恋乙女は口元に人差し指を立てると、「じゃあ鬼ごっこの開始…。 “鬼に捕まらないでネ”」と残して、またくるりと回ってジャンプして消えていった。
ラシュフェーニカはソレを静かに見つめる。
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