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試練と神々ノウタ 8
記憶では、風蘭の姉──天蘭と、風蘭の祖母は今は亡くなられていると聴いていた…。
今現在、天獣ノ民──ラマンヴァの一族で、トゥィトの直系の子孫は、風蘭、たった一人だったと想う。
…先程、舞を舞っていた時、近くに居た老婆は言った。
天蘭は、《【道】ノ格入》に失敗して、命を失ったのだと…。
ラシュフェーニカの中で、気の引き締められる想いがし、気づいたら自分は、風蘭の握りしめた手に、自身の手を重ねていた。
「…。
ラシュフェーニカ様?」
風蘭が目をまあるく見開いて驚いて私の方を見ていた。
同情なんかじゃない。
不憫に想ったわけでもない。
ただ彼女の強い想いが、何かを…、私の中の何かを奮い立たせた。
「行きましょう、風蘭。
貴女は御姉様のことを、
私は明様のことを、知る為に──。
コノ試練を……、《【道】ノ格入》を進んで行きましょう」
── 必ず乗り越えるのです ──
風蘭が、ラシュフェーニカの強く強い意志の籠った目を見て、力強く微笑んだ。




