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《火ノ宮》──ラシュフェーニカの決意と想い 5
ラシュフェーニカの強い眼差しが、神殿の最上階を見上げた。
菫色の瞳が、青い塔を映し出す。
── コレは道調だ。 ──
── コレは道奏だ。 ──
ラシュフェーニカがコツ、コツ、コツと石階段を上る。
そして息をすぅ…と吸い込むと、澄んだ気の中、深く一礼し、神殿へと足を踏み入れた──。
深い闇のように。
奥へ奥へと進んでいくラシュフェーニカの姿を…、民はみえなくなってもずっと見つめていた──。
── どうかコノ娘が、無事に帰らんことを ──。
テオラーダがそっと、手を合わせて祈りを始める。
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