表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女神男子の正解を  作者: 作意 扉
第零章:スタートの前
9/18

9.プレゼント



 図書館に到着した。

 しかし、それよりも気になることがある。

 いや、別に大したことではないんだけど。


 さっきの場所から、この帝都の中心部になるであろう方向に図書館はあったんだが、より中心部の方向に、5メートル程度の、城壁というには厚かましい程度の壁がある、のが見える。



「カグヤ、あれはなんなんだ?」


「あれ? ……ああ、あれは“区切り”よ」



 区切り。



「何と、何をだ?」



 聞くとカグヤは、人差し指を二本立てて説明してくれる。



「王族プラス、貴族と、その他よ」



 まあ、やっぱり。



「なんとなくそうじゃないかとは、思っていたけど」


「じゃあ聞かなくても良かったじゃない」



 別にいいじゃん、冷たい奴め。それともちょっと不機嫌?



「早速、図書館に入っていいのか?」


「うん、最初に銀貨一枚司書に預けてね。そこにある名簿に名前も書いて」



 図書館に入り、先程カグヤの言った通りに銀貨を預け、名前を書く。


 凄く今更な感じだけど、異世界の文字もなんとはなしにかけるらしい。ホント、今更だけど。

 するとカグヤが、図書館だからなのか小声で聞いてくる。



「で、どう? 図書館に入った感想は」


「ああ、一々そうなんだけど、広いなあって思うな。やっぱり」



 冒険者ギルドも、帝都ここ自体も。ここにくるだけで、ギルドから1時間近く歩いたし。



「そりゃそうよ、ヘイム帝国なんて五本の指に入る超大国よ? 武力だけで言ったら、大陸一かもしれないわよ」


「そういう事を調べにここに来たんだ。今日は、俺はここに入り浸るぞ」




 調べ中………




 色々と本を集め、読んでみた。

 馬車のおっちゃんが教えてくれた情報と大した差異は無かったが、魔大陸などについておっちゃんはよく知らなかったので、来て良かった。


 調べた結果をまとめると、こんな具合だ。




〜夢大陸〜


 色々な種族の住むこの大陸に漂流し、助けてもらった冒険者が多いことから、この名前がつけられた。



〜魔大陸〜


 魔人族たちが住んでいる。

 別に魔人だからといって、悪い奴らというわけではない。


 魔族たちの国の王、つまり魔王もいる。小国でも『魔王』な訳だから、結構いる。

 魔王だからといって、すごく強いとかはない。強いのもいるが。


 人間の国並みにでかいのは龍国と呼ばれる国や、スーパーツイン様大大大王国、などだ。

 

    本・大陸は語る より





〜歴史〜


 神はこの世界に六匹のを放った。

 龍だ、竜じゃない。


 火龍かりゅう

 水龍すいりゅう

 風龍ふうりゅう

 土龍どりゅう

 光龍こうりゅう

 闇龍あんりゅう


 取り敢えずそれだけ。


   本・モンスター百科事典 より



〜進化〜


 モンスターは一定以上の経験を得ると、進化する。進化すると、LVの数字が上がる。

 一回進化すればLV2。といった具合に。

 〜人族とつく者たちは、一部を除き、進化はしない。


 しかし、人族には“派生”がある。

 そう(・・)なれる資質がある人間が強い感情に支配されると、“怪人”と呼ばれる身体能力に長けたモンスターになる。

 モンスターほど理性はトんでいないが、人間に害を与えるためモンスターとされる。


 それらは不老であり、これまでの在歴11045年の間に生まれたのはたったの二体だけではあるが――


 ――まだ一体たりとも討伐に成功してはいない


   本・種族と進化 より



 とまぁ、こんな感じだな。他にも結構調べたが、相当数読んだのでそこまではまとめられない。

 ともかく今日はためになった。


 ちなみに上記の本は全てネウロ・オーバーという、世界地図を作った人の本、らしい。






/////






 プクー。


 スタスタ


「………………」


 プクーー。


 スタスタスタ


「………………」


「プクー!」


「口で言うな、口で」



 図書館を出てからというものの、カグヤの不機嫌が収まらない。



「おい、そろそろ機嫌直せよ」


「むぅぅぅ……」


「もう1時間近く経っているぞ、そろそろいいんじゃないか?」



 すると、カグヤはピタッと立ち止まり、こちらを指差しながら、



「あのね、機嫌はね、時間とかそう言うので直すものじゃないのよ!」



 ………。じゃあ、俺はどうすればいい?



「機嫌っていうのはね、その理由を起こしたものが、不機嫌を直すものなの!」



 だから何かお詫びをしなさい! と、カグヤは言うが、こちらとしてはなんで機嫌が悪いのか分かっていない。

 


「じゃあなんで起こってるんだよ、どうして『不』なのかが分からないんじゃあ、お詫びれない」


「………デート、」


「デート?」



 キッ! と、しかし少ししおらしいようにこちらを睨む。



「今日はデートだと思ってたの! 久しぶりの! それが、7時間近く図書館にいるとは思わないじゃない………」



 デート。そうか、カグヤからしてみれば一年ぶりに彼氏である俺とデートする機会だった訳だ。楽しみにしてくれてた訳だ。


 

「デート、したかったのか?」


「…………」



 コクリ、と頷いてくる。そうか、流石に悪いことをしたな。



「分かった。今月中には、なんとかしてみる」


「……今月中? 長い、今週中には何とかして」



 今週中か。ちなみにいうと今は

 在歴11139年

 7月14日

 月曜日

 6時

 である。


 一週間近くあるわけだしお詫びに贈り物の一つくらい見繕えるか。



「分かった、今週中な。それまでに今日のお詫びを用意しておくよ。埋め合わせも考えるし」


「うん、凄く期待しておくっ」



 なぜかすごく期待されてしまった。

 若干プレッシャーを感じ、自分の言ったことを後悔していると、前を歩いていたかぐやがくるっと振り返り、

 


「私が跳んで喜ぶものじゃなきゃ、お詫び百倍にするからねっ!」



 カグヤは、夕焼けにその顔を照らされながら悪戯っぽく微笑む。文字通り、輝くように。


 ……頑張るか。

 明日から冒険者活動だ。


 俺はそう思いながら、百倍は多いんじゃないかと感じた。

 

 読んでいただいてありがとう御座います。

 拡散、評価していただけると有難いです。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ