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迷宮に囚われた男  作者: 火川蓮
第五章

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chapter46 反発する者たちの戦闘

ぼくは探査魔法を展開する。

二匹。距離は十五メートルほど。

犀田と海蛇田の二人が前に立っている。


「……来ます」


声は低く、なるべく冷静に聞こえるようにする。

二人は腕を組み、わざと余裕そうに立っているが、目は僅かに揺れていた。


「……ええ、またか」


海蛇田まからださんが短剣を握る。理知的な顔だが、肩がわずかに震えるのを見逃さない。


「現実だと思え、夢じゃない」


犀田さんが呟く。言葉の端は強がりだ。

草をかき分け、ゴブリンが現れる。

甲高い声が森に響く。「ギギギ……!」

二匹が棍棒を振るう。

犀田さんが腕で棍棒を受け止める。ギリギリ、皮膚が痛む。

海蛇田まからださんは跳びのき、後ろに下がる。


(危ない)


ぼくは風魔法を一点に集中させ、ゴブリンの足元にウィンドカッターを放つ。


「止める!」


鋭い風刃がゴブリンの片足を切り裂き、転倒。二人はかろうじて危機を免れる。


「な……何だ、あれ……」


海蛇田まからださんは口を半開きにして呟く。目の前の魔法に、頭では納得できないが体は反応する。


「自分でやれ、オレは戦える」


犀田さんが奪った棍棒を握り直す。必死に平静を装い、再び突進。

ゴブリンが飛びかかる。犀田さんが片腕で棍棒を受け止め、体を捻ってかわす。

海蛇田まからださんは短剣を振り、かろうじて相手の足に当てる。


(もう少し……)


ぼくは念のため、もう一度風刃を放つ。ゴブリンの片足を弾き、動きを封じる。

二人は驚きつつも、何とか距離を取る。


「……信じる必要はない、でも、見逃すな」


ぼくが低く言い放つ。

最後の一匹が怯んだ隙に、犀田さんが棍棒を振るい、海蛇田まからださんが短剣で押さえる。

ゴブリンは倒れる。


静寂。荒い呼吸。

二人は顔を見合わせ、微かに息を整える。

強がりも、疑念も消えない。

でも、生き残った。戦えたのだ。

ぼくは二人に近づき、声をかけた。


「もう大丈夫ですよ」


犀田さんは短く頷き、海蛇田まからださんは目を細める。

表情は変わらない。だが、その背後に少しだけ安堵が滲むのが、ぼくにはわかる。


(……ギリギリだった)


魔法に頼らず、現実を拒む二人も、戦いの中で生き抜いた。

その姿を見届け、ぼくは小さく息をついた。

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