chapter42 怯える者たち
鳩川さん、カザクラさん、エンダガワさん、巳島くん――四人の体からは、恐怖がはっきりと伝わってきた。
自己紹介のときから、消極的で控えめな態度だったことを思い出す。目の前に危険が迫ると、体は固まるようにこわばり、足元は微かにふらつき、視線は定まらずあちこちを泳ぐ。
肩で荒い息をする者もいれば、手に力が入りすぎて杖や短剣を握る指が白くなる者もいる。それでも、僕は小さく声をかけた。
「落ち着いて。自分のペースで大丈夫だよ」
微かに震える肩や息から、恐怖が完全には消えていないことが伝わる。
それでも――四人は、確かに足を前に出そうとしていた。
鳩川さんは杖を握り直し、目だけは前を見ようとする。カザクラさんは唇を噛みしめ、視線を逸らしたまま少しだけ前に足を出す。エンダガワさんは水球を手に持ち、指先がわずかに震える。巳島くんは倒れたゴブリンを一瞬見て目を細めたが、すぐに視線を前に戻す。
小さな呟き――「怖い……」と漏れる。強がりでも恐怖は隠せない。しかし、恐怖と同時に、行動する意志がそこにあるのがわかる。
僕はそっと息をつき、魔法の準備を整える。今はまだ、戦う番ではない。四人の恐怖を、少しでも和らげること――それが、最初の課題だ。
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