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27 ディル視点

国王との謁見から帰った僕は早速アーシェを探しに行った。だが、こんな広い王都で歩いて見つかるわけもなく、魔法を使ってどこにいるかを聞こうとした。だが、いつまで経ってもアーシェからの反応がない。まるで、存在自体が消えたかのように。


僕は何度も試した。試して試して試して。だが、結果は全て同じ。アーシェは反応してくれない。そもそも繋がっていないのだろう。僕の魔法が通じないところなんて一体この星のどこにある。アーシェなら星の反対側に行ってもわかるのに。


「...この世界にいない...?」


頭の中に一つの仮説が浮かんだ。彼女がもしなんらかの方法でこの世界ではないどこかに飛ばされたとしたら辻褄があう。だが、世界が二つ?そんな非現実的なことを信じれる方がおかしい。この説はそんなに濃厚ではないな。


「はぁ...一体どこに行ったんだ、アーシェ」


気が狂いそうだ。彼女と繋がっていないというだけでこれほど心が苦しくなるとは。


ギュッと自分の胸元を握る。だがその苦しさはそこから離れない。離れるどころか増している。頭の中は彼女の笑顔でいっぱいだった。もう他に何も考えられない。国王が話したことなんてもうとっくに忘れた。


「どこ...どこどこどこどこどこ!!」


見つけてやる。たとえ世界を割ったとしても必ず彼女を見つけ出す。


待っていて、すぐに見つけるから。そして見つけたらもう絶対に離さない。


アーシェはそういえば本屋に行きたいと言っていた。そこに何かヒントがあるかもしれない。


そんな期待を抱きながら僕は駆け足で本屋に向かう。ドアを開けた途端、中はぐちゃぐちゃだった。まるで泥棒でも入ったかのように散らかっているその様子に目を見開く。中に人はいなく、僕だけだった。店主はどこに行ったのか。


一番散らかっているところに歩み寄り、一つの本を取る。


『パラレルポータルについて』


異世界と繋がれている扉、か。


本来ならばこんなことを信じないが、僕は知らないうちにページをめくって読み始めていた。


『違う世界とここの世界を繋ぐ』


もしもアーシェがこのポータルに吸い込まれてたら。


戻ってこれるのか。だがそれはいつだ。


『三日もあれば一生戻ってこない場合もある』


そんな記述に絶望が僕を包み込んだ。


一生?アーシェが僕のとこに一生戻ってこない?


そんなことはあってはならないんだ。


あぁ、ダメだ。いますぐに会いたい。今すぐ会って抱きしてめて僕の隣にアーシェがいるって実感したい。ならもう物理的に隣につなぎとめておけば良い。


そうすれば...


『ポータルは一定の魔力量があれば操れるようになる。だが、そんな魔力量を人類が持っているわけがないので不可能と考えれば良い』


操れる?そんな都合のいいことがあるのか。


自分の口角が上がるのを感じた。


物は試しだ。失敗したら別の方法を探す。成功したらアーシェを取り戻し、今度こそ、僕のに...。

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