第14話 大地の生命力とベルフラワーの薪事情
・本領では雨が降らない。
本領は もともと砂漠化進行中のステップ地帯であった。
だからリンが魔法力を駆使して井戸を掘り、修道院周辺に防湿シールドを張ってわずかな湿気も逃さないようにする一方で、雨の王を招聘して水の確保に努めたのであった。
そのうえで、修道院の結界内で果樹を育てていた。
・薪になるような木は修道院周辺にはなかった。
それゆえ リンがドラに乗って北方の森林地帯に行って倒木を集めたり
湯気の地周辺の密林で倒木を拾い集めて、建築用木材や薪にしていた。
基本的にベルフラワーの存在する大陸では 大地の力が弱まり 新しい樹木が育つ見込みが全くなかった。
だからこそ リンは魔力をふりしぼって 各地で植樹に励んでいたのである。
そして ベルフラワーの面々は薪の節約に努めていた。
ベルフラワーの最初の冬は、暖房用に薪を使わず、料理用の窯で暖をとり
温泉に入って体を温めたらすぐに藁布団と毛皮にくるまって寝ると言った具合に。
(リンは湯を沸かす薪節約のために 高温の温泉を探してほりだしたのだ)
・それゆえ、たとえば 家畜を捌いて脂がとれ、その脂を加熱することにより良質のラードが取れることがわかっていても、脂はマジックバックに保管して、十分な薪が確保されるまで そして冬になるまでラードづくりをリンは許可しなかった。
・汚染され 文字通り死んだ土地であった盆地を浄化し、再生し、植樹して「盆地の開拓地」としたリンは、開拓地周辺の森林も浄化し、再生魔法をかけた。
その結果、盆地の開拓地に入植したトントンたちは、盆地の北側に面する森林に入って、枯れ木を切り出し、そこにリンが用意した苗木を植えることができるようになった。
彼らが入植したのは秋であったので、これまでは おもに、枯れ木の切り出しを子ロバのリキシと一緒におこなっていた。
本日 夜8時 2回目の投稿をします




