オラこんな日課嫌だぁっ!!
どうも、緋絽です。
今回短めです。どうぞ!
私はレオンの執務室の前に立っている。
この頃身に付けさせられた日課だ。
……そうだ、あいつは何も言わないけど、きっと理由があるんだろう。
ふぅ、息を吐いてノックする。
「クラモチです。来ました」
「入れ」
いつもの低い声に導かれて私は中に入る。
中にはレオンしかいなかった。人払いは済ませてあるらしい。
……しまったな。に、逃げ場がないぞ。
いや他の人がいても困るけども!
「何をそんな入り口で突っ立ってる。早く来い」
椅子に座っているレオンが首を傾げる。
「うぐ。だっ、だって、おかしいだろ!! こ、こんなの!」
「…………いいから寄れ」
不機嫌そうに眉を寄せてレオンがのたまう。
「せっ、せめて理由を教えろよ!」
ピクとレオンが反応した。
まさか同性愛者とかそんなことはないよな!
私は同性愛に特に偏見はない。好きになっちゃったもんはしょうがないからね。それがたまたま同性の人だったというだけ。
だけど、私が該当者ならそれはいただけない。
何故なら私は男ではないからだ! でもそれは言えないから、私は拒絶するしかない。
何をかというとだ!
────何故かレオンが毎朝額にキスしてくることをだ!
「安心しろ。お前のような子供に手を出すほど飢えてない。必要なことだからだ。これで文句はないだろう」
「なんで必要かって聞いてんだよ!」
うぬらぁぁぁあああ! それぐらい察してそこまで言えやぁぁああああ!
「お前に言ったところでどうしようもないことだ。────いい加減に、大人しくしろ」
ハッと気付いたときにはレオンが目の前に立っていた。
「───!」
思わず逃げようと後ろ手でドアノブを握ると、回す前に上から手ごと押さえ込まれた。
ギギギギギと音がしそうなほどぎこちなく上を見ると、ゼロ距離のところにレオンの顔があった。
こんな距離なのにチラッともピンクな雰囲気を感じさせない瞳だ。
わお、ファンタスティック!
「逃げるな。いいか、一つ言っておく。これはお前のためでもある。うだうだ抜かしている暇があるなら、さっさと済ませてとっとと任務へ赴け」
「なっ……」
「喧しい」
反論しようとした口を手で塞がれ、衝撃で背中がドアにぶつかった。
ヒヤリとしたものが額に触れる。
私はビクリと肩を竦ませた。
きっかり三秒ほどでそれは離れ、ついでにレオンも離れた。
「終わりだ。行け」
その言葉に私は呆けたまま執務室を出た。
「レオン、入るぞー……レオン?」
ロイがレオンの執務室に入ったとき、レオンは長椅子の背もたれにもたれて目を閉じていた。
「……何かあったのか?」
レオンがこうも無防備な姿を人に見せるのは珍しい。副官の自分でさえなかなか見ない。
ロイが向かいに座るとレオンは片目をうっすら開けてロイを見る。
「ロイ、俺の代わりにランセル班に伝えろ」
「なんだ?」
「クラモチは───」
その言葉にロイはクッと目を見開いた。次いで少し顔をしかめる。
人払いの理由も理解した。わかる奴にはわかる。だからレオンは。
「……おれがしたっていいんだぞ?」
「馬鹿を言うな。お前こそ相性が悪いだろうが」
その言葉に。ロイは不甲斐ない己に、溜め息を吐いた。
「所有の印か……」
なんと……明日から大雨だとか。お出かけ……お出かけの予定があるのに……!




