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第拾弐話

最終話です。

「一つ分からないことがあります」

 道すがら、カレンにそう話を振られた。

「んあ? 分からないこと?」

「はい。なぜシエル……いえ、シエルさんは喰屍鬼グールになってしまったのでしょう?」

「んなこと、俺が知るか」

 素っ気なく返されて、カレンは不満そうに頬を膨らませた。

「真面目に聞いています」

「いや、いくらなんでも俺が答えられるかよ……」

 そっとグレンは横を見る。

 そしてカレンが予想以上に不機嫌そうにしていたため、グレンは慌てて取り繕う。

「いや……あー、ほら、あれじゃね? シエルはノエルを結構大切に想っていたみたいだからな。ノエルもシエルに懐いていたみたいだし。可愛さ余って憎さ百倍……ってのは少し違うだろうが、それこそシエルは『食べたいくらい』にノエルを可愛がってたって事じゃないのか? もちろん、家族も」

「そう……でしょうか。いえ、そう説明されると何だか納得できますね」

「おいおい、俺の勝手な推論だぞ」

「分かっています」

 そう頷き、カレンはグレンの隣に並ぶ。

 二人は今、何も無い、だだっ広い街道を歩いていた。

 あの日、ノエルと共に山へと向かった街道とは別の物である。

「そう言えばカレンちゃん」

「何ですか?」

「俺も一つ聞きたいこと」

「あら、グレンが私に聞きたいことなんてあるんですね」

「何やら棘のある物言いだな……まあいいや。聞きたいことってのは、お前がシエルに言ったセリフなんだが」

「え? 私、何か言いました?」

「『調子に乗らないで下さい。彼は私の物です』」

「……………………」

「これ、どういう意味?」

 見れば、グレンはあからさまにニヤニヤとイヤ~な笑みを浮かべている。

「……………………」

「おーい、カレンちゃーん?」

「知りません。聞き違いでしょう」

「……そうきたか」

 聞き違いだと言われれば、それ以上の追及は出来ない。

 グレンは諦めてもう一つ問いかける。

「あともう一つ」

「……何ですか」

 物凄い不機嫌である。

 だが表情は全く変わっていないが、色白なカレンは顔が少しでも赤くなるとすぐに分かってしまう。

 カレンのそんなところが、グレンは面白いと思っていたりするのだが。

 それはともかく。

「次の目的地ってどこ?」

「……以前に話したじゃないですか。何を聞いていたんですか、あなたは」

「右から左に聞き流してた」

「はあ……。いえ、あなたが人の話を聞かないのはいつもの事です。今さら怒りません」

 カレンは呆れを通り越して諦めの表情を浮かべる。

「大陸の南西部に位置するトネリコ最大の砂漠地帯、通称クチナシ砂漠。そのほぼ中央に位置する鉱山の町マサキです」

「ふーん、クチナシ砂漠のマサキか……マサキ!?」

 再び聞き流しそうになったグレンの耳に、信じられない地名が飛び込んだ。

「マサキってお前! 前にサンドワーム駆除の時に拠点にした町じゃねーか!」

「はい」

「はい、じゃねーよ! 何だってまたあんな砂と岩しかないとこに行かなきゃならんのだ!?」

「……本当に人の話を聞いていませんね」

 溜息を吐くカレン。

「そのサンドワームの時の功績をマサキの町長に目を付けられて、しばらく町長の近辺警護をするように依頼されたのです」

「はあっ!? 町長の警護!? んなもん、トネリコ騎士団の仕事だろう!」

「本来はそうなのですが……最近のマサキは治安が悪く、紛争が頻繁に起きているそうです。国王直轄であるはずの騎士団ですら信用が出来ないとのことです」

「……何だと?」

 ヤレヤレとグレンは空を仰ぎ見る。

「どうやら、また一悶着起こりそうだ……」


と、言う訳で初投稿作品『黒々しくも白々しい世界へ』は無事に完結いたしました。今までこの読みにくい作品を読んでくださった方々には心の底から感謝しております!

さて、一応この『黒白』は完結と言うことになってはいますが……何やら続きそうな気配がします。

アイディアはあるんですよ、アイディアは……。ですが僕の文才がそれに追いつかなく……今回の初投稿でそれは十分に理解できました。

個人的にこの『黒白』は中学生の頃から温めておいたネタですので気に入っております。ですからいつの日か、僕の文才がグレンやカレンの活躍に追いつくことが出来たら、彼らを復活させようと考えております。

それまでは大人しく、修行と言う訳ではありませんが、コツコツと小説執筆という作業に慣れていきたいと思います。

どうか温かく見守って頂けたら嬉しいです!

それでは、また他の小説でお会いしましょう!

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