エピローグと次回予告
彼女との殺し(あってはいないので合いは省略とする)の帰り、俺は彼が彼女に囁いた言葉が何だったのかを推測していた。幸か不幸か、俺は人との交流が少ないので彼女の言う「あの人」が誰なのかの選択肢を絞るのは容易であった。
1。御花くらげ これに関しては、峨朗姉弟も俺も交流がある時点で可能性は低い。彼女も彼女たちから「あの人」と呼ばれるような権力や強さはない。彼女が実は......という可能性を考えるとキリがないので一先ずは無しにした。
2。西堂ザザ、もしくは野間野野々。恐らくこの可能性が一番高い。二人まとめてなのは理由が殆ど同じだから。彼らは人智を超えた力がある。「あの人」呼びも不思議ではない。そして彼らは世界の均衡を守るものだ。であれば、峨朗姉弟とも友好的な関係を築いているはずだ。
そんなことを考えながら家に帰り、シャワーの準備をすると、鏡に俺の姿が映った。その姿に、俺は驚愕した。これは、俺が吸血鬼の性質で鏡に映らないということではない。俺が驚いたのは、彼女に与えられた細々な傷に、煙のようなものが入っていたからである。そしてその煙は、俺の身体を癒している。
そして俺は、この煙に見覚えがある。これは、煙導だ。あいつが、この街のどこかにいる。
冷たいシャワーは、次第に蒸気を発して俺の頭に被さった。
野間野野々の休暇は、まだ終わらない。物語は、まだ続く。
この煙は何なのか、煙導はどこなのか。俺はそれを一人で解決するしかない。
次回「野間野野々の休暇~園崎調の探索~」近日公開。




