表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/10コミック1巻発売【完結】魔王様、溺愛しすぎです!  作者: 綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢をよろしく
100章 幸せになろう

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1399/1402

001.新種か否か、難しい『コミック1巻発売記念SS』

1巻発売記念です_( _*´ ꒳ `*)_ぜひ予約してください!!


「ルシファー様っ!」


 アスタロトの声が響き渡る。魔王城の日常はいつもながら騒がしかった。中庭で、幼いリリスと虫探しをしていたルシファーが首を傾げる。


「パパ、アシュタ……おこてる?」


 まだ小さな「っ」が苦手なリリスが、不思議そうに尋ねる。黒髪がさらりと揺れた。保育園から帰ってきたばかり、今日は何も予定はなかったはずだ。


「そうだな、なんだろうな……アスタロト! こっちだ」


 手を振って居場所を知らせると同時に、声に魔力を乗せた。受け取ったアスタロトが飛んでくる。背に羽を出していないので、緊急事態ではなさそうだな。立ち上がったルシファーは、当然のようにリリスを抱き上げた。


 右手にミミズ、左手にコオロギを掴んだリリスは興奮状態だ。間違って潰さないよう、きちんと言い聞かせた。


「リリス、そっとだぞ」


「うん!」


 頷いた瞬間、ミミズが……その……いや! まだ生きてる!! 昇天しかけたミミズに治癒魔法をかけて、ほっと胸をなでおろす。


 保育園で虫の役割を学んだらしく、リリスは虫に興味津々だった。魔の森で生きる虫なので、まずサイズが大きい。その上、毒を持つ種類も多かった。危険なので一緒に庭へ出たのだが、先日叱られたから仕事は片付けた。


「ルシファー様、ご報告申し上げます! 先ほど、新しい種族が発見されたのですが……」


「新種か?」


 意思疎通が可能で、魔力を持っていること。繁殖できる個体であることが新種の条件だ。魔の森は気まぐれに新しい仲間を増やすため、ときどき発見されては魔王城へ報告が上がる。


 なるほど、署名に手を抜いたのがバレたかと思った。こっそり胸を撫で下ろすルシファーの腕の中、リリスは握ったミミズを空へ投げる。アスタロトがひょいっと摘まんで、そっと地面に逃がした。凄い勢いで穴を掘って潜っていく。ミミズというよりモグラに近い。


「リリス嬢、生き物を乱暴に扱ってはいけませんよ」


「あい!」


 アスタロトに素直に頷くリリスは、丁寧な手つきでコオロギをアスタロトに渡した。受け取ったアスタロトが、また地面に逃がす。手のひらほどのコオロギは、びょんと数メートル飛んで姿を消した。


「リリス、一緒に新しいお友達を見に行くか?」


 頷くリリスとともに城門へ向かった。ここまで連れてきたと言われたが、どこにいるのか……いるのはベルゼビュートだけだ。


「あっ! ルシファー様、こちらですわ」


 ルシファーが抱くリリス同様、ベルゼビュートが抱いていた。小柄な種族かと覗き込めば、小さな獣がいた。あれだ、ケットシーに似ている。


「ケットシーの一種かな?」


「それが……ニャーしか言わないのよ。それも四つ足! 二本足で歩けないなんて」


 困ったわと言いながら、ピンクの巻き毛をくるくると指先で弄る。豊満な胸に乗った獣は、ニャーと鳴いた。見る限り、魔力はある。ただ微量なので魔獣かもしれない。


「ケットシーには相談したのか?」


「ええ、話はできるそうです」


 魔力はあって話が通じる。あとは個体数か。繁殖するなら雌雄一体ずつ以上必要だが……。


「そういや、その子は性別どっちだ?」


「両方です」


「……ん?」


 両方と聞こえたぞ?? 顔に書いて首を傾げたルシファーへ、ベルゼビュートは区切りながら「りょ、う、ほ、う! ですわ」と繰り返した。


「パパ、リリスも!」


 撫でたい、と主張する。ベルゼビュートが差し出すと、左手を伸ばした。右手はルシファーの髪を掴んでいるので、そのままだ。撫でると目を丸くして「やーらかい」と喜んだ。


「両性具有なら……一応魔族の規定を満たしたことになるかも」


 うーんと唸るルシファーの向かいで、ベルゼビュートが「そうですわね」と頷いた。



***続く***

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ