第40話 創造神、更なる召喚
「えっ、え? あ、え?」
「はわわ……」
「……スティヴィア様、良かったのですか? 彼にあなたの正体を教えて」
「っ……」
慌てふためく短髪の女性にため息をつく長髪の女性。対して言った張本人である紅髪の女性は「あ」言っちゃったみたいな表情をしている。今ごろ気づいたのか……自分でそうですよって言ってる以上否定のしようがない。
「……こほん、まぁいいでしょう。顔をあげて下さい。話を続けましょう」
「……本当にそんなことが……」
「出来ます」
「ですが、初めてこちらの神様と出会った際、元の世界に戻すことは出来ないと言われたはずなんですが……」
「それは間違っていません。ですが、一部の神と創造神である私なら出来ます」
「っ……?」
「……また、元の生活に戻ることが出来るんですか?」
するとスティヴィア様は優しく微笑んだ。
「はい。ですが、この話はひとまずその時が近づいてから再びお話しましょう。なにせ元の世界に戻る方法は2つありますがそのうち簡単な方を説明しますとその場合私があなたと共に行く必要があります。そしてその為にはある条件を満たさなければならないのです」
「え?」
「本来なら責任として無償であなたを元の世界に連れていく義務があります。ですが、そのためには先ほどもお話した通り、私と共にいる必要があります。そして私があなたといるための必要な条件とは、あなたが私と共にいる資格を持っていることです。これが最低条件です」
「資格?」
「手違いでこの世界に来てしまったとはいえ、身元がよく分からないあなたを元の世界に返すことをよく思わない神もいるのです。この世界に仇なす者が手違いを利用して潜り込んできたのではないかと。私はそんなことないと思っていますが……」
「また、あなたを言葉ではなく、行動でどんな人物なのか知りたいという神もいます。そのため、私が出す試練を乗り越え、ある程度の実力を示す必要があるのです」
なるほど。だからこその試練なのか。
「それで、内容は……?」
「具体的にはあなたには3つの試練を受けてもらいます。あなたが先ほどまでいたあの世界で」
先ほどまでいた世界って、あぁ俺がこれまで冒険してきた世界か。
「1つ目。この世界のどこかにいる珍しい魔物、シュペルマーを見つけることです」
なんかいきなり難しそうなのきた!? 珍しいってことはレアな魔物か。運も必要だなこれは。
「……分かりました。でも、俺なんかで見つけられるのでしょうか?」
「この試練を受けるにあたってあなたに渡したいものがあります。……あなたのそのカードを少しだけ貸してもらえませんか?」
「え? あ、はい」
スティヴィア様に応じ、カードを渡す。
すると彼女は数枚めくり、白紙のカードのどこかで手を止め、右手をかざした。
「こほん。聖炎なる煌めきの鏡を持つ竜よ……かの者の力となれ。はあぁっ!」
スティヴィア様が唱え終えた次の瞬間、炎の渦が出現し、カードの中へと吸い込まれていく。
「っ……!?」
ギュオオオオオッ! ポンッ!
「終わりました。試しにそのカードの魔物を召喚してみてください」
「え? ……分かりました」
「イメージするのは炎と鏡です。それらをイメージしながら先ほど私が言った言葉と同じ言葉を言ってください」
炎と鏡……ん? 青い炎に卵? 何やら脳内に言葉が浮かび上がってきた。これを言えばいいのか。
「青炎なる綺羅めきの翼を持つ卵よ……召喚!」
途端、黒い煙が辺りに吹き出す。しばらくして中から何か丸いものが姿を現した。
赤い灼熱の炎を纏い、煌めきの鏡を持つ竜……
「……え?」
「「あれ?」」
「……へ?」
「タマッ」
ではなく、背中に青い翼を生やした可愛らしい声で鳴く卵だった。もちろん目鼻口など無く、のっぺらぼうだった。




