表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

雄山羊の真実

雄山羊は突きまわしていた 柱の周囲にいた黒い子羊たちを

雄山羊は追い散らしていた 青草を食んでいる黒い子羊たちを

柱の周囲に有るものはすべて 自分のものであるかのように

柱の周囲に有るものは 誰にも渡そうとはしないかのように

すべての子羊たちを散らした時、雄山羊は柱がもたらしている安寧を味わっていた

本来ならば全ての者にもたらされていた安寧を 自分一人が独占するために

だからこそ、罰が当たったのだ 喪失の災厄による黒い嵐によって 得ていた 味わっていたものが奪われた

永遠に失われた 倒木の直撃によって砕かれ崩れた柱を 目の辺りにした時に

食んでいた青草は 枯草になった 生気を失った枯草へと変わり果てた

自分が独占していた安寧はもはや無い 虚しき空虚に覆われたのだからーー


鴉は思ってた 柱のレリーフと仮面の男のレリーフが同じであったことを

夜空を飛びながら思っていた 黒い柱と黒い仮面の共通点を

鴉はふと気付いた 自分も同じ黒色だったことに

鴉は思考していた 自分が何故白い雄山羊に災いを告げたかを

鴉は導かれていた そして、気付いた 自分は宣告の使者だったことに

そして、鴉は飛び去って行った 災厄の嵐が過ぎ去り、白い雄山羊に伝え終えた現在

自分が果たす役割は終わっていたのだからーー


時計は刻む 時間を ただ、静かに 黒い仮面の掌で

月面をモチーフに 数字が配列された懐中時計 それが今、仮面の男が握っている

月明かりに照らされながら 夜風を浴びながら 勝利を確信して 嘲笑っている

黒い雄羊のレリーフが刻まれた仮面が 持ち主の男に同調するかのように笑っている

白い雄山羊の敗北を確信したかのように 勝利の愉悦に酔い痴れているように

時期早い雪が降り始める 災厄の時を示すかのように 招獄の時を告げるかのようにーー



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ